歳月

歳月

 大寒が過ぎて、札幌では道端の雪山が日増しに高くなっている。新型コロナウイルスの感染者が道内で初確認されたのは1月28日。中国・武漢市在住の40代女性だった。そして道民の初確認は2月14日。連日、深夜の記者会見が続き、道庁が大混乱したことを思い出す。あれから3年の歳月が流れようとしている。

 「知見も情報もない、前例もない状況での対応となった」―。先日の記者会見で鈴木直道知事は3年前をこう振り返った。全国で初めて道独自の「緊急事態宣言」に踏み切ったのは2月28日。週末に道民に異例の外出自粛を要請した。

 これまで八つの波を繰り返した。従来株の流行が3度続いた後、第4波はアルファ株、第5波はデルタ株、第6波以降はオミクロン株と置き換わりも進んだ。道内では23日現在、感染者は130万人に迫り、4329人の命が失われた。

 岸田文雄首相は今春に感染症法上の取り扱いを引き下げる方針を表明。5月の広島サミットを前に日常を取り戻した姿を見せたい思惑も透ける。知事は「コロナがなくなるわけではない。屋内のマスク緩和もエビデンス(根拠)が必要」と指摘する。個人的にも地下鉄の満員電車で、全員がマスクを外している姿は想像し難い。コロナとの闘いは続く。(広)

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