苫小牧市は、ICT(情報通信技術)などデジタル技術で暮らしや経済活動の利便性を高める「スマートシティ構想」の概要案をまとめた。医療や福祉、産業、公共交通など21分野に先端技術を取り入れ、サービスの質の向上を図る事業の方向性を示した。市は今後、同構想の中身を固め、2023年度から事業化に乗り出したい考えだ。
同構想の期間は23~27年度の5年間。AI(人工知能)などを活用したまちづくりを進め、少子高齢化や公共サービスの質の維持、防災、脱炭素化など課題の解決につなげる施策の指針とする。「健康・医療」「子育て支援」「福祉」「観光・商業」「ものづくり・農林業」「教育」「気候変動対応」「交通環境」―など分野ごとに計90の事業案を示した。
健康・医療では、診断や服薬履歴など個人健康情報管理(PHR)データを活用し、医療や介護、生活支援のサービスを一体的に提供する体制を整備。糖尿病の重症化防止やがん対策の推進も図るとした。子育て支援では、ICTを活用した子育て関連情報の提供や保育園のオンライン入園手続き、母子健康手帳アプリの導入などを盛った。
福祉の分野では、労働負担の大きい介護現場への先端技術導入を支援する。観光・商業では、自動低速運転車や自動配送ロボット、人々が行き交う中心街を形成。多種多様な交流の中で新たな産業のアイデアを生み出すまちなかを創出していく。デジタルを活用した誘客も促進するとした。
ものづくり・農林業では、苫東地域で新技術を生かした実証実験を通じて新たなサービス創出を促進。農業や漁業などにも新技術を取り込み、生産性の向上や従事者の負担軽減を図る。
教育分野では、教室での授業とオンライン教育を組み合わせた活動を推進。学校運営にデジタル技術を生かす取り組みも促進するとした。気候変動対応では、脱炭素化に向けて電気自動車の普及や充電インフラ整備に注力。商業施設などに湿温度管理の先端空調システム導入を促し、まち全体の消費電力量や温室効果ガス・二酸化炭素の排出量を減らす施策も盛り込んだ。
交通環境の分野では、キャッシュレス決済や配車システムなどの導入を考える交通事業者を支援し、利用促進や利便性向上につなげる。この他、デジタル技術を活用した災害時避難計画の策定、大規模停電時に地域の再生エネルギーで自律的に電力を供給する体制の構築、ロボットや自動運転技術による廃棄物収集運搬システムなどを示した。市は3月末までに構想を正式に取りまとめる予定で、市未来創造戦略室の担当者は「23年度以降、できるだけ早く事業を展開していきたい」としている。
















