苫小牧市の市民団体「樽前山を語る会」(羽澤芳子会長)は、樽前山やまちの自然が校歌でどう歌われているかを調べ、冊子「ふるさとの山 樽前山と苫小牧の校歌」を発行した。同会創立30周年記念事業の一環。1日、市内の小中学校に寄贈する40冊余りを市教育委員会に届け、福原功教育長から感謝状を受け取った。羽澤会長(74)は「故郷の自然を思いながら、語り合ってもらえれば」と願いを込めた。
同会文化部長の藤沢紀世安さん(75)=宮前町=が小学校長などを務めた経験を生かして昨年9月、製作作業に着手。市教育研究所が1990年に作った「苫小牧校歌集」を参考に未掲載の学校も洗い出し、歌詞の中に苫小牧を象徴する「樽前山」「勇払原野」「太平洋」が入っているかを丹念に調べた。
冊子には計51校の校歌を掲載。樽前山は42校、太平洋は36校、勇払原野は26校の歌詞に含まれていた。三つの言葉すべてが入った校歌も4割近くを占めた。「調べた高校、高専、看護学校の9割で樽前山が見つかったのが驚きだった」と藤沢さん。
樽前山の表現についても調査すると▽容姿の美しさ▽噴煙たなびく力強さ▽裾野が広がる雄大さ―など託されたイメージは多彩で、「いろんな印象を持たれる山なので、多くの校歌で使われたのでは」と考察している。「樽前山」の言葉の後に、子どもたちの成長を願う歌詞が目立つことにも言及。作詞者のプロフィルも掲載した。
啓明中と明野中の校歌を作った詩人で元小学校長の入谷寿一さん(93)=美園町在住=は「樽前山の姿の美しさと、火を噴く山の力強さをたたえ、生徒たちの生きる力を鍛えようと呼び掛けた」と啓明中の校歌作詞時の気持ちを文章で寄せた。
校歌は全文を掲載し、千歳市や白老町など近隣の校歌にも樽前山が入っていることなどをコラムで取り上げている。中央図書館や高校・高専などにも配布予定で、藤沢さんは「コロナ禍の影響で校歌を歌う行事も減ったと聞く。校歌に親しむ機会に役立てば、うれしい」と話している。
冊子はA4判40ページ、200部印刷。70部を1冊600円(送料別)で販売する。申し込み、問い合わせは澁谷博事務局長 携帯電話090(7052)8549。
















