冬の創造力

冬の創造力

 〈氷の祭典、苫小牧スケートまつりは三、四、五の三日間はなやかなプログラムをくりひろげた〉―。今から56年前の「第1回スケートまつり」閉幕翌日の1967年2月6日付本紙に記事が載っている。当時の冬は、第1回アイスホッケー日本リーグ創設のシーズンと重なる。

 66年11月の開幕で実業団5チームが東京、大阪、苫小牧転戦で2回総当たりを展開した。7勝1敗の岩倉組が覇者となり、2位に6勝2敗の王子製紙が食い込んで市内の両雄がファンを沸かせた。リーグ初代の最優秀選手は王子フォワードの引木孝夫選手だった。スピードスケートでも王子製紙の鈴木正樹選手、当地出身で国土計画の鈴木恵一選手らが日本勢トップ級として頭角を現していた頃だ。

 高度経済成長期ただ中に製紙業基幹の「紙のまち」が人工港を有する「港まち」となり、工業都市化へまい進した。やがて「余暇」を貴ぶ気風が高まり、全国先駆けの「苫小牧市スポーツ都市宣言」は66年11月に発効し、盛んなスケートを主題に先人たちが「祭り」を創造した。

 スケートまつり初回、本紙は〈屋外ジンギスカンしばれ焼き〉初登場を写真付きで報じた。残念なコロナ休止2年間を越えた今回、会場のドラム缶こんろで「歴史的」焼き肉の味を楽しめた。(谷)

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