ミラーイメージングという言葉がある。ミラーは「鏡」。イメージンングは「試料の情報を基にさまざまな方法で画像化、視覚化すること」なのだが、二つの単語を合わせてより平たく言うと、鏡のように自分を相手に投影し、自分と同じように相手は考えていると思ってしまう錯誤(誤り)をいう。
自分は彼女をこんなに愛しているのだから、彼女だって自分と同じように愛してくれているはずだと思ってしまうのもミラーイメージングなのか。若い頃に女性への愛執の念に悩む同僚にイチかバチかの告白を助言したところ、あえなく撃沈となったことがあった。男女の関係構築は簡単ではないと知った。
ミラーイメージングの代表的な例に1962年のキューバ危機がある。旧ソ連が極秘裏にキューバで核ミサイル基地の建設を始め、それを知った米国がキューバ周辺の海上を封鎖。米ソ間の緊張が急速に高まり、双方が核のボタンを押す寸前まで至った事件だ。度重なるドキュメンタリー放送や出版本ではおなじみだ。
同性婚について「見るのも嫌だ。隣に住んでいたら嫌だ」などと差別的な発言で更迭された元首相秘書官。首相とミラーイメージングの表れなのか否か。国会論議に耳を傾けていく必要がある。(教)









