苫小牧市は2023年度、ヤングケアラー支援条例の制定作業に入る。大人に代わって家事や家族の介護などを日常的に行う子ども「ヤングケアラー」を早期に発見し、地域社会全体で支えるのが狙い。制定時期は未定だが、ヤングケアラー支援に特化した条例を持つ自治体は全国的にも少ない。
国は、本来大人が担うべき家庭内の仕事を日常的に行う18歳未満をヤングケアラーと定義する。具体的には買い物や料理、洗濯などの家事、幼いきょうだいの世話、病気や障害のある家族の介助などを想定。学業や生活リズム、交友関係づくりなどに影響を及ぼしかねない状況を注視し、地域でサポートするよう求めている。
こうした中で昨年以降、支援条例を作る自治体が関東地方などで出始め、道も昨年4月、ヤングケアラーを含む家族介護者の孤立化を防ぐため「ケアラー支援条例」を制定。苫小牧市は市内でも同様の問題が潜在化していると捉え、ヤングケアラーに特化した支援条例の制定を計画した。
条例の具体的な中身は未定だが、家族の介護や家事の負担で悩む子どもの問題に関心を広げ、社会全体で支える機運を高めていく考え。学校や地域など各方面との連携を強め、早期発見や相談体制などの構築につなげていく。
制定作業に当たっては、専門家らの知見を取り入れる検討の場を設け、パブリックコメント(意見公募)などで市民の意見も募る予定だ。制定関連の事業費として、市は2023年度一般会計予算案に約52万円を計上した。
担当する市こども相談課は「家族の介護や家事を担う責任の重さにより、学びや遊びなどの権利が侵害されている子どもたちの存在に気が付き、手を差し伸べられるような社会の実現を目指したい」と話している。
道が21年度に中学・高校のそれぞれ2年生を対象に行った実態調査では、中学生の3・9%、全日制高校生の3%、定時制高校生の4・5%がヤングケアラー状態にあることが判明。幼いきょうだいの世話をしているケースが多く、勉強や友だちとの遊びの時間を確保できないという生徒も目立った。また、ヤングケアラー状態にある中学と全日制高の生徒の約8割が「日ごろの悩みを相談した経験がない」と回答した。道は支援条例に基づき、地域の関係機関から相談を受け、適切な支援につなげる調整役のコーディネーターを配置するなど対策に乗り出している。
















