ボーイング747型機の生産が終了した―という記事が先月末の全国紙にあった。500以上の座席数があり、航空機による移動の大衆化を実現させたのが747=ジャンボ機だった。国内ではすでに見られなくなっていたが、まだ製造が続いていたとは。大きさや、あの「個性的な顔つき」を懐かしく思い出した。
飛行機と言えば、子どもの頃は見上げた青空に白い線を描く訓練中のジェット戦闘機。ゴーッという大きなエンジンの音は聞こえても機体は黒い点にしか見えず、「乗ってみたい」という憧れなど抱きようのない、遠い遠い存在だった。
20歳を過ぎて初めて乗った飛行機はジャンボ機。客室はバスよりも幅が広く、長かった。こんな大きな物が空を飛ぶ不思議に驚きながら、座席周りのイヤホンなどを意味なくいじり回していた。その後、取材や私用で何度も空路を利用したが思えば乗った機種のほとんどがジャンボ機。自分は「ジャンボ機の世代」。
最後の機体は1574機目とか。アメリカ・ワシントン州のボーイング工場で造られ、貨物航空会社に引き渡された。本棚から古本屋さんで見つけた同文書院の「ジャンボ・ジェット機の飛ばし方」を見つけて開き雑学の幾つかを思い出しながら時の移ろいの速さを思った。(水)









