あきれ

あきれ

 孫の成長が速い。幼稚園で初めて見た節分の鬼の面をひたすら怖がり、帰宅後も見るたび、おばあちゃんの手を握って「一緒に!」と泣き叫んでいた臆病者の孫に、はや受験の季節がやって来た。

 最年長の孫は3月に東京の小学校を卒業する。北海道ならごく一部にしかない中学受験が、彼の地にはごく一般的なものとしてあるという。次はみんなで区立中―ではなく、都立高の付属中に進み、高校受験を抜きにして次に備える進路があるらしい。知らなかった。「受けてみよう」。孫も友人に軽く誘われ、受験の世界に足を踏み入れつつあるようだ。

 北海道の公立高校の入試もいよいよ本番が近づいている。報道によると全日制で1127人が出願を変更したそうだ。再出願の受け付けは22日まで。最後の検討が続き、3月2日が学力検査だ。少子化が進み、新聞の集計表に表れた都市と地方・農漁村の高校の受け取った願書の数の差の大きさに改めて驚かされる。12歳と15歳、18歳だけでなく、子どもたちはきっといつも考え、悩んでいる。自分たちは彼らに何を背負わせているのか。反省させられる。泣いた、笑った、立った、歩いた―。成長の、ほんの一部しか見ずに喜んだり気をもんでいた自分ののんきさ加減にあきれるばかりだ。(水)

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る