30年ほど前の社会人野球。まだ金属バットを使っていた時代で、試合時間が3時間を超える乱打戦が多かった。都市対抗野球道予選では、序盤の8点差が七回には逆転していたこともある。まさに勝負は「げたを履くまで分からない」スリルがあった。
日本野球連盟は今季、社会人野球の7回制を試験導入するという。スピーディーな高校野球に比べ、社会人は試合時間が長い。都市対抗大会では、午後6時プレーボールから延長十回で4時間を超えることもある。
今季から7回制が試験導入される大会は地区や都道府県での40試合。都市対抗や日本選手権予選には導入しない。先発投手の球数・交代の影響などでゲームが動きだすことが多いラッキーセブンの七回が最終回になると、選手の起用法や戦術も変わる。走者を置いた状態で延長戦がスタートするタイブレークと合わせて、投手の負担軽減は新時代のルールとして歓迎すべきか。
かつて友人が東京まで息子の水泳を応援に行った。時間にして数十秒のレースが2本でトータル2分足らず。「野球応援の2~3時間と比べるとお得感がない」とぼやく。試合時間4時間は長い。それでも長く感じない接戦が一興。(高)









