自宅の居間にパンダの縫いぐるみが一つ、ある。シャンシャンが上野動物園で生まれた2017年に苫小牧市内のおもちゃ屋さんで買った。座高40センチほどのパンダが居間の中央に座って、あのたれ目で来客や家族を見守ってくれている。
よろける、転ぶ、落ちる、そしてぶつかる。柔軟なのに不器用な身のこなしがかわいいパンダ。白髪頭が買うこっけいさへの自覚はあって、レジのお姉さんに笑われないよう精算は家人に頼んだ。
日本で飼育されているパンダのうち、4頭が順次、中国に返還されて研究や繁殖のために活躍するそうだ。あのシャンシャンも、もう繁殖の適齢期だそうで、良い出会いがあれば親になるという。
この間、アメリカが中国から飛来したとみられる気球を相次いで撃墜。中国が強く反発している。日本でも2019年以降に3度、領空への侵入が確認されていた。政府は改めて検討し「無人偵察用の気球と強く推定される」と結論。自衛隊の武器使用要件を緩和し、今後は撃墜も含めて対処する方針を決めた。アメリカへの追随との批判も根強いようだ。
パンダは1972年11月、日中国交樹立の証しとして上野動物園で初公開されて半世紀、無言で交流の最前線に立ってきた。居間のパンダがにらんでる。(水)









