夢追い掛け、次の舞台へ 北海道栄高校陸上部

夢追い掛け、次の舞台へ
北海道栄高校陸上部
大学でも活躍を期す(後列右から)中尾、エケ、清水、橘、酒井(前列右から)伊藤、石田、納村

 北海道栄高校陸上部に所属する3年生が4月から、道内外の強豪大に多数進学する。全国高校総体(昨年8月、徳島県)男子100メートル2位、3位獲得をはじめ年代別全国大会入賞など数々の功績を挙げてきた代。堀下航監督は「高校でしっかり力を伸ばし、予想以上の成績を残してくれた。まだまだ可能性を秘めている。将来の日本代表を目指して」と期待を込める。

 最多の進学先は堀下監督の母校でもある東海大。高校総体男子100メートル2位の橘弘栄(登別幌別中出)、U20日本選手権男子走り幅跳びで高校年代最高位の6位入賞を果たした中尾泰思(苫小牧光洋中出)、U18大会男子三段跳び7位の伊藤陽楼斗(同)が進む。

 橘は高校入学時に11秒台だった100メートルのベストが10秒44まで縮んだ。けがに悩まされた時期もあったが、「努力の報われた3年間だった」と笑顔。大学では10秒フラットを目標に掲げる。

 中尾と伊藤は大学でも再び切磋琢磨(せっさたくま)の日々を送る。中尾は「伊藤と一緒は心強い。日本選手権入賞を目指したい」。伊藤はU20日本選手権男子三段跳び覇者の北川凱(東海大1年)を挙げ「先輩のいい部分を取り入れて、記録向上につなげる」とした。

 国民体育大会少年男子A300メートル優勝、高校総体男子100メートル3位のエケ・ジュニア瑠音(神奈川愛川東中出)は中大へ。「けがも多かったが、思い通りの結果は残せた」と自己評価。大学では100メートル、200メートル、400メートルと種目を絞らず幅広くこなす構えで「日本一になりたい。シニア世代でも勝負したい」と語った。

 主将を担った清水徹(帯広第一中出)は大東文化大。清水、橘、エケと共に2021年の高校総体男子4×400メートルリレー5位入賞に貢献した酒井翔馬(浦河第一中出)は城西大に決まった。

 「自分自身でも考えながら活動できる場所を選んだ」のは清水。けがに苦しみながら「どう工夫し乗り越えるかを考えてきた」3年間の経験を生かしたいからだ。全国屈指の強豪高校で主将の重責を全うできたことも貴重な財産。「大学でもリーダーになって、人間的にさらに成長したい」

 酒井は100メートルの自己ベスト10秒台や400メートルの実力も十分。度重なるけがで不完全燃焼に終わった高校時代の悔しさを次のステージにぶつける。特にリレーへの思いは強く「全国優勝を大学で実現したい」と言う。

 女子では昨年の高校総体道予選で寺田明日香(2007年、当時恵庭北高)以来となる種目3冠、U20日本選手権女子100メートル3位などを誇る納村琉愛(深川一已中出)が甲南大。石田真夕(苫小牧和光中出)が北翔大となった。 

 納村は、男子100メートル元日本記録保持者の伊東浩司氏が指導する甲南大でさらなる進化を誓う。「堀下先生や仲間たちのおかげで、苦しんだ時期も乗り越えられた」と感謝。大学では同期や先輩に自分よりも速い持ちタイムを誇る選手が多い。刺激を受けながら「頑張って日本一になりたい」と闘志を燃やす。

 石田は養護教諭になる夢を追いながら競技も継続する。「仲間たちのレベルがとても高くて、モチベーションがすごく上がった3年間」と高校生活を回顧。200メートルやリレー種目で高校総体出場もかなえた。大学では「インカレ(日本学生選手権)出場を狙いたい」と意気込んだ。

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