ノック

ノック

 30年以上前、母校の高校野球公式戦の試合前のノックを頼まれたことがある。選手として公式戦は経験していたが、ノックだけは初めて。選手がグラウンドの状態を確かめられるように打球に強弱をつけたり、軽く左右に打ち分けた。外野には風向きを考えるような打球も求められ、これがはたで見ているほど簡単ではない。観客も見ていて下手な打球は打てないし、「空振り」はもっての外。時間制限もあって、変な緊張感で汗をかいたのをはっきり覚えている。今ではいい思い出。

 日本高野連は、18日に開幕する選抜高校野球大会の運営委員会を開き、試合前の守備練習で女子によるノックを認めると発表した。昨年夏から女子によるノック時のボール渡しなどの練習補助、試合中の球審にボールを渡すボールパーソンは認められていたが、女子部員の活動の許容範囲が広がった。

 今回、21世紀枠で出場する城東(徳島)のマネジャーが甲子園でノックを打つ初の女子部員になりそうだ。昨年春から練習を始め、今では内外野に打ち分けられるほど上達したという。「甲子園という大舞台で選手とマネジャーが一体となって野球に向き合う姿を見せたい」と監督。球春の明るい話題。(高)

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