JR北海道は3日、2023年度の事業計画を発表した。事業運営に関する国からの監督命令を受けて策定した中期経営計画(19~23年度)の最終年度。綿貫泰之社長は鉄道運輸収入がコロナ禍前まで回復しないことに触れながら「自助努力と国・道の支援の有効活用で財務基盤の安定化と収益基盤強化を図る。31年度の経営自立実現に全力を挙げて取り組む」と述べた。
グループ全体の売上高の連結営業収益は1365億円で中期計画の目標を467億円下回る見通し。もうけを示す連結経常損益はコロナ禍や燃料・電気料金高騰の影響で217億円の赤字を見込んだ。計画より赤字が149億円拡大する。
事業計画は▽安全輸送の確保▽経営基盤の強化▽北海道新幹線の札幌延伸と札幌駅周辺再開発▽経営自立に向けた取り組み▽人材の確保と育成―が柱。安全輸送は、函館線大沼駅構内での貨物列車脱線事故から10年の節目を迎えることから、「安全アドバイザー会議」の開催や軌道強化、高架橋の耐震補強、車両製作を盛り込んだ。
経営基盤の強化では、北海道ボールパークFビレッジ(北広島市)開業を契機とした鉄道の利用促進・ナイトゲーム開催日の臨時列車の運行により輸送力を確保する。開発・関連事業ではグループ企業と一体で不動産事業、ホテル事業、小売業を拡大する。
新幹線関連では、札幌駅駅舎工事に着手。物価高騰に伴う事業費増大のリスクを見極めつつ、難易度の高い工事を計画通りに進めて駅前再開発で道都の玄関口にふさわしいまちづくりに貢献する方針だ。
また、22年度は自己都合退職者が232人と過去最高に上ったことから、「人材確保と育成」に関して働き方の見直しと働きやすい環境整備、社内コミュニケーションの充実を図るなどして対策を進める。
















