卵不足で価格高騰 鳥インフル流行で供給追い付かず

卵不足で価格高騰 鳥インフル流行で供給追い付かず
仕入れ値の高騰で高値が続く小売店の卵=丸善ストアー

 卵の値上がりが止まらない。安定した値段で「物価の優等生」とも称されたが、高病原性鳥インフルエンザの大流行で需要に供給が追い付かず、全国的に高騰。追い打ちを掛けるように道内の主要生産地・千歳市の養鶏場で3月下旬に大規模感染が発生したのに加え、3日に別の農場でも確認されて約39万羽の殺処分が始まった。一層の供給量不足による価格上昇への懸念が、卵を原料に使う苫小牧市の食品製造業や飲食店にも広がる。

 スーパーの丸善ストアー(寿町)では、売れ筋のL玉を昨年3月に税込み200円ほどで販売していたが、今は300円以上。異常とも言える仕入れ値の高騰が理由という。小口隆弘店長は「MS玉の仕入れ価格は昨年比で1・5倍、L玉は1・8倍にもなった」と驚きを隠せない。だが、店頭販売量はほとんど変わらず、「卵は代替が利きにくく、高くても買う、ということでしょうね」と話す。

 小売価格は右肩上がりの状況にある。市が地元スーパー9店を対象にした価格調査によると、M玉(10個入り)が昨年6月、前年同月比15・5円高の209・5円を付け、その後も上昇。今年1月には、統計が残る2005年以降で最高値の233・4円に達した。3月も232・3円と高止まりが続いている。

 生産者などでつくる日本養鶏協会(東京)は高騰について「鳥インフルエンザが流行し、殺処分で供給量が減っていることが主な要因」と指摘。飼料価格の上昇で「飼養羽数を減らす農家があることも影響している」とみる。

 農林水産省によると、今季の高病原性鳥インフルエンザの発生は、岡山県で1例目が出た昨年10月28日から、今月3日の千歳市での事例まで計26道県83件に上り、約1740万羽が殺処分の対象になった。2件の大規模感染が確認された千歳市だけで、道内で飼育される採卵鶏の約2割に当たる計約90万羽が殺処分の対象になり、作業が進められている。非常事態に道内生産者団体の北海道養鶏会議(札幌市)は「千歳市の大規模殺処分でさらに供給量不足が見込まれ、より価格が上がるだろう」と予測する。

 苫小牧市内の飲食店や食品メーカーからも不安の声が上がる。オムライスが人気の喫茶店「カフェドのり」(元中野町)も、材料の卵の高騰に頭を痛める。店長の常盤賢司さんは「高いが我慢しながら仕入れている。早く収まることを願うのみだ」とため息をついた。

 パン・菓子製造の三星(糸井)は「企業努力を続けてきたが、値上げに踏み切る」と言う。4月1日から食パンなど一部パンの価格を段階的に改定。5月には一部の菓子も値上げする予定だ。佐藤巧企画広報課係長は「卵を使わない商品はほぼない。うちにとっては必須の材料」とし、大幅なコストアップの状況に「節電や節水の経費削減をこれまで以上に努めていく」と話した。

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