苫小牧市内で広がる制服リユース活動 子育て支援に

寄せられた制服のサイズなどを確認する開成中PTA役員

 まだ着られる制服を卒業生などから集め、必要とする人に提供する制服のリユース活動が苫小牧市内で動き始めた。1年しか着られず「もったいない」と感じた保護者の発案がスタートで、物価高に苦しむ子育て世代からは歓迎の声が上がる。一方で、制服の状態把握や保管など事業の本格化には人手が足りず、官民連携の仕組みづくりを求める意見も出ている。

 活動開始は2月。開成中学校のPTAが中心となり、卒業や買い替えなどで不要になった制服やジャージ、上靴などの提供を各家庭に呼び掛け、15点が寄せられた。

 吉田明代PTA会長は「長女が中3に進級した際に制服を買い替え、1年間しか使わなかった。『もったいない』と強く感じ、リユースを思い付いた」と話す。寄贈品は同校で保管し、希望する家庭や生徒に随時、提供している。吉田会長は「制服が小さくなってしまった人や、転入してきた人にも活用してもらえれば」と話す。

 NPO法人ワーカーズコープも3日、市民から寄贈された約30組の制服を福祉ふれあいセンター(双葉町)に並べた。6日まで、子ども食堂(午前11時~午後1時)に合わせて学用品の譲渡会も開催し、制服はその一環。

 中学1年の長女と小学4年の長男を育てる日新町の女性(40)は「長女の入学準備で約10万円掛かった。物価高も続き、ひとり親なので経済的にとても厳しい。万が一の時に頼れるこのような場所は本当にありがたい」と語った。

 今回はイベント形式の譲渡会だったが、同法人の光洋町の事務所では年間を通じて寄贈品を提供している。担当する松崎愛さん(40)は「年度途中でも制服を必要とする人からの問い合わせが多く、ニーズの高さを感じている」と話す。

 しかし、有志による活動のため寄贈された制服の校名やサイズ、状態の把握までは手が回らず、学用品バンクの一部として並べるにとどまる。松崎さんは「制服のリユースを専門に行うには、われわれの力だけでは到底不可能。全市的な取り組みが必要だ」と指摘する。市社会福祉協議会総合支援室の千寺丸洋室長も「生活困窮世帯に限らず、リユース制服を求めている人は多いと思う。官民で連携し、何らかの仕組みを構築する必要があるのでは」と語った。

 苫小牧市沼ノ端のJFEリサイクルプラザ苫小牧は1月、市民が不要となった衣類を持ち込み、欲しい衣類と無料交換できる仕組みを設けたが、管理上の問題から制服は取り扱っていない。千歳市では2020年、公益財団法人ちとせ環境と緑の財団が制服リユース事業を開始。22年度は2月末までに406点を提供したという。

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