卵不足が深刻化 空の商品棚に消費者困惑 千歳の鳥インフル影響

卵不足が深刻化  空の商品棚に消費者困惑 千歳の鳥インフル影響
卵が空になった商品棚=フードDエクスプレス見山店

 道内最大の鶏卵生産地・千歳市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが相次いで発生した影響で、苫小牧市内のスーパーでも卵不足が深刻化している。「お1人さま1パック限り」と、多くの店が張り紙を出して販売数を制限し、すぐに売り切れてしまう状況に。食卓に身近な卵が手に入りにくい異常な事態に消費者に困惑が広がる。

 千歳市では3月28日、今月3日と7日に計3カ所の養鶏場で、高病原性鳥インフルエンザが発生。道内で飼養される採卵鶏の2割以上に当たる計120万羽超が殺処分の対象になり、作業が進められた。道内では昨年10月に厚真町、11月に伊達市の養鶏場でも発生し計30万羽超が殺処分に。このため、極端な供給不足に陥り、小売店や食業界の需要に追い付かない事態となっている。

 品薄により市内のフードD各店は今月から、1人1パックまでと販売制限に乗り出した。フードDエクスプレス見山店(見山町)では12日、午前9時半の開店から30分ほどで、この日用意した分が売れ切れた。

 何とか購入できたという男性客(70)は「朝から卵を探し、3店目のこのスーパーでようやく見つけられた」とほっとした表情。5人家族のため、「1パックでは心もとない。また別の店にも探しに行きます」と急いだ。女性客(60)も「どうにか買えたけれど、1週間以上、手に入らない日々が続いた」と言う。「仕事帰りでは遅いので、休日の朝に買うしかない。弁当のおかずに欠かせないのに」と顔をしかめた。

 同店の橋本健太郎店長(42)は「午前中に完売してしまうことがほとんど。入荷量も日によってまちまちで、夜に来店する方の分を確保するのが難しい」と説明する。

 フードD各店を運営する豊月(本部苫小牧市)によると、千歳での発生以降、注文量の8割程度の入荷にとどまっているという。本州からの仕入れも模索しているが、全国的な高病原性鳥インフルエンザの大流行で困難な状況が続く。同社は「品薄への不安感からか、卵を買い求める方が増えているが、それに対応できてない」と言う。

 イオン苫小牧店やマックスバリュ各店も、1人1パックの販売制限を行っている。各店を運営するイオン北海道(札幌市)は「商品は入ってくるものの、少なくなっているのは確かだ」と話す。

 農林水産省によれば、猛威を振るう今季は今月8日までに26道県84件の発生を確認。計約1771万羽が殺処分の対象になった。生産者団体の日本養鶏協会(東京)は「ふ化後5カ月ほどで卵を産み始めるが、1日1個の産卵が限界。加えて店頭に並ぶサイズを採卵できるようになるには、ふ化から7カ月ほどかかる」とし、感染拡大に伴う卵不足長期化への懸念が各方面で強まっている。

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