知床半島沖で昨年4月、観光船「KAZU 1(カズワン)」が沈没した事故で、運航会社「知床遊覧船」(オホーツク管内斜里町)の桂田精一社長(59)が17日までに時事通信の取材に応じた。事故の原因は「隔壁だと思う」と述べた上で、運輸安全委員会が指摘したハッチの不具合の可能性や甲板下の隔壁に穴が開いていたことは「(事故前に)把握していなかった」と話した。
乗客らの家族に対しては「誠心誠意謝罪するしかない」とし、当日の出航判断の是非については「お答えは難しい」と明言を避けた。
事故は23日で発生から1年を迎える。乗客乗員のうち20人が死亡、6人が行方不明で、海上保安庁は業務上過失致死などの容疑で桂田社長らの捜査を続けている。
事故を巡っては、運輸安全委が昨年12月、船前方のハッチとガラス窓から浸水して沈没した可能性が高いとする調査経過報告書を公表した。何らかの理由でハッチが閉鎖されずに出航した可能性が指摘されたが、桂田氏はハッチの不具合について「把握していない。不具合が確定したわけではない」と述べた。
甲板下の隔壁には穴が開いており、浸水拡大の要因の一つとされる。桂田氏は事故について「隔壁が原因だと思う。隔壁(に穴)が開いていなければ沈まなかった」との見方を示した。穴が開いていたことは「把握していない」としたが、「日本小型船舶検査機構の検査は車で言うと車検。私は素人で船にはそれほど詳しくない」と述べ、事故3日前の検査に合格していたことを強調した。
事故を受けて海上運送法の罰則強化など対策が進んでいることについては「今後事故を起こさないためには必要だと思う」と話した。23日に斜里町で行われる追悼式に出席したい気持ちは「ある」としつつ、「(私の)顔も見たくない人もいるので、従うしかない」と語った。
桂田社長と一問一答
桂田精一社長(59)との主なやりとりは次の通り。
―当日の出航判断は誤っていたと思うか。
お答えは難しい。
―23日の追悼式に参加したい気持ちはあるか。
気持ちはあるが、(私の)顔も見たくない人もいるので従うしかない。
―運輸安全委員会の調査経過報告書でハッチの不具合の可能性が分かった。把握していたか。
していない。不具合が確定したわけではない。
―海上運送法の改正で罰則の強化などが進んでいる。
今後事故を起こさないためには必要だと思う。
船のことはあまり詳しくないが、(事故は)隔壁が原因だと思う。隔壁(に穴)が開いていなければ沈まなかった。
―隔壁に穴が開いていたことは把握していたか。
把握していない。JCI(日本小型船舶検査機構)の検査は車で言うと車検。私は素人で、船に詳しくない。
―JCIの検査に通っていれば大丈夫だと思った。
はい。
―事故から1年がたつが、乗客らの家族への思いは。
誠心誠意謝罪をするしかない。
















