ベッドからの転落事故は、乳児の転落の中で最多となっています。消費者庁の報告によると、2015年1月~20年9月に起きた6歳以下の事故は912件でした。
ベビーベッド、大人用ベッド、2段ベッドなどのうち、圧倒的に多いのは、大人用ベッドからの転落です。大人用ベッドに寝かせている保護者からよく聞かれる「対策」について考えてみます。
一つ目は「いつも大人がそばにいるので大丈夫」ですが、「いつもそばにいる」がどんな状態を指すかは、人によって違います。また、傷害予防の基本的な考え方として、「いつもそばにいる」のは、科学的に不可能であることを認識しなければなりません。トイレに行ったり、宅配便が届いたりして、そばにいられないときは誰にでも必ずあるのです。
世界保健機関(WHO)も、保護者の見守りによる転落予防の効果は明らかにされていないとしています。
二つ目の「対策」は、「転落に備えて、ベッドの周りに布団や縫いぐるみなどの柔らかい物を敷いている」です。柔らかい物があれば、重いけがは防げるように思えますが、実は、これはとても危険なのです。
保護者が部屋を離れている間に赤ちゃんが転落し、ベッドと、下に積まれていた毛布の間に挟まれ窒息したケースも報告されています。子どもの鼻や口が覆われてしまえば窒息は起きます。転落時の衝撃緩和やベッドと壁などとの隙間をなくすことが目的であっても、ベッドの周りに柔らかい物を置いてはいけません。
子どもを守るための「対策」だと思って保護者が行っていることが、予防につながっていない場合があります。事故をよく知り、科学的に正しい対策を実践することが大切です。
(大野美喜子・セーフキッズジャパン理事、イラストはカモシタハヤト)
















