冷蔵庫やテレビなど付き合いの長い家電製品が幾つかある。その一つ、洗濯機が新品に変わった。古い洗濯機は先日、汚れ落としが終わり、すすぎが済み、脱水が始まるはずのところでまた汚れ落としを始めた。家人は改めてゴーゴーと回り始めた洗濯機を指さして「ね、壊れてる」。これまでにも何度かそういうことがあったが翌日には直っていた。何度目かの反抗か、不調の警告か。前回までと違うのは、運用の責任者が「壊れた」と判定した点だ。洗濯機も聞いたはず。
作動の基礎にコンピューターが入っている機械には、人の言葉を聞き取る感知器が付いているという説があるそうだ。特に「買い換え」という言葉には敏感。聞こえると最悪の故障を起こす。だから更新の検討は機械から遠く離れて、小声でしなければならないのだという。洗濯機は反抗の翌日、何事もなかったかのように円滑に働いて見せたが、もう遅かった。家人が、友人と近くの家電店へ出掛けた。「下見に」と言っていたのに、1時間ほどたって帰宅したときには、契約が済み、配達の日程も決まっていた。
かくして十数年ぶりに洗濯機が変わった。古い洗濯機は5千円ほどの再生費用を持参金に、新品の乗ってきた車に積み込まれた。自分も気を付けなきゃ。(水)









