ごみ収集車に絵画作品 障害者の芸術振興へ 山本浄化興業

ごみ収集車に絵画作品 障害者の芸術振興へ
山本浄化興業
車体にアート作品が貼られた収集車。独特のタッチが目を引く

 走るアール・ブリュット作品―。障害のあるアーティストが手掛けた絵画が側面に貼られたごみ収集車が苫小牧市内にお目見えし、市民らの注目を集めている。一般・産業廃棄物収集運搬業の山本浄化興業(勇払)が所有する車両で白い衣装を着た人たちが、儀式のようなものに臨む不思議な光景が描かれている。障害者の芸術振興を後押しする初の試みだ。

 絵は道内在住のアーティスト小川真一郎さんが手掛けた。小川さんは建物や風景、人、動物などを収めた写真を独自のタッチで模写することを得意とし、この作品も写真を基に描かれたという。

 市内の屋外広告業のポップアラヤ(元町)が縦80センチ、横1メートル25センチの塩化ビニールシートに絵を印刷し、車の側面に貼り付けた。

 きっかけとなったのは、今年2月、市内で開かれた道内在住の障害のあるアーティストによる芸術イベント「アール・ブリュットin苫小牧」。福祉に携わる市民らでつくる苫小牧の文化と福祉を考える会(石橋創代表)が主催した初のイベントで、会場には小川さんの作品も展示された。

 同会は芸術活動を通じた共生社会づくり推進へ、今後もイベントを続けていきたい考え。市内や近郊に暮らす障害のあるアーティストの掘り起こしにも力を注いでいく方針だ。

 イベントに協賛した自動車販売業セルオート(木場町)の菊池正人専務が「継続にはこれまで以上にアール・ブリュット作品をPRしていく必要がある」と知人で、障害者福祉に理解のある山本浄化興業の山本紘之社長に相談。今回の試みにつながった。

 この収集車は企業ごみの収集を担当し、市内全域で運行。同社塵芥部の中野彰部長は「走行中、多くの市民の視線を感じる。『これは何の絵ですか』と尋ねられ、イベントについて説明した従業員もいるなど思った以上のPR効果があり、協力を続けたい」と語る。

 石橋代表は「皆さんの協力で、アートとごみ収集車の融合という珍しい試みが実現した」と笑顔。「今年度もイベントを開催するので、ぜひ多くの市民に関心を寄せてもらいたい。障害のあるアーティストの励みになれば」と期待している。

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