道内で卵の供給不足と値上げが続いている。3~4月に主要産地千歳市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが相次いで発生し、採卵鶏約120万羽が殺処分された影響が大きい。年内の「正常化」は厳しいとの見通しもある中、苫小牧市内の飲食店は苦心を重ねている。
市内で回転ずし店「クリッパー」などを展開する久恵比寿(畑中稔社長)の「だし巻き玉子」は、作り方が動画投稿サイト「ユーチューブ」で再生回数2500万回以上を記録した人気商品。卵の仕入れ値が今年3月から右肩上がりで、現在は1・4倍ほどに膨らんだが、同社は「お客さまに少しでも安く、おいしく提供したい」と価格転嫁を控えている。
観光スポット海の駅ぷらっとみなと市場(港町)で4月にオープンしたイタリア料理店「ケストラーノ」のオーナー山上龍さん(46)は、スイーツに使う卵を求めて東北や北関東圏のスーパーを回ったこともある。50パックほどを確保したが「値段は以前の倍以上」と明かす。「所得が上がってこない社会情勢で、値上げはできない」と慎重な姿勢だが、利益をかなり圧迫する現状に頭を抱える。
卵を入れてボリュームたっぷりの広島風お好み焼きの店、「広島お好み焼き 鉄板」(緑町)も「独自ルート」で卵を確保。現時点で料理の提供に影響は出ていないが、仕入れ値の上昇は続いている。野菜や麺など他の食材や電気の価格も高騰し、店主の菅原一真さん(36)は「このままなら値上げを考えなければいけない」と話す。
道の消費生活モニター価格動向調査によると、4月の東胆振の生活圏別平均価格で、鶏卵(Mサイズ10個入り)は前年同月比69円高の264円。今年2月以降、平均価格は右肩上がりで、前月と比べて27円も値上がりした。
農林水産省畜産局食肉鶏卵課によると、通常は鳥インフルの最終発生から約半年を境に、供給量が「徐々に正常化してくる」という。ただ、道内は最も遅く鳥インフルが連続して発生したため、「本州や九州などに比べ、正常化の時期は遅れる」と指摘している。
















