苫小牧東部地域で産業用地の造成や分譲を行う第三セクター、株式会社苫東(辻泰弘社長)が、GX(グリーントランスフォーメーション)の取り組みを加速させている。2050年の脱炭素社会実現に向け、化石燃料をクリーンエネルギーに転換し、経済社会システムの変革を図るGX。同社は4月1日付でGX戦略推進室を新設し、近く公表する中期目標(23~25年度)でもGXを位置付ける見通し。同室の坂本成次室長(55)に展望などを聞いた。
―GX戦略推進室設置の狙いは。
「20年10月に菅義偉首相(当時)がカーボンニュートラル(CN、温室効果ガス排出ゼロ)宣言をした翌年4月から行動していた。立地している既存企業はもちろん、国内のGX先端企業や大手総合商社などと主にオンラインで年200回近く意見交換し、知見を深めてきた。今年2月には国土交通省から調査委託を受けたデロイトトーマツコンサルティング合同会社(東京)が『苫東GX HUB(ハブ)構想』をまとめた。進むべき道筋、戦略ができたタイミングで対外的にアピールする意味もあり、戦略推進室を設置した」
―運用開始から約2カ月たった。
「設置前は私を含め営業系3人で準備し、開設を機に社内の総務系、インフラ系の部署から次代を担う20~30代の若手4人を加えた。GXの意識を社内全体に浸透させる思いで横断的に人選した。5月に市内弁天で運用が始まった北海道電力の水電解による水素製造設備を見学するなど、脱炭素の見識をさらに広げられるよう動いている」
―苫東GXのアピールポイントは。
「企業からは『クリーンな電源がほしい』との声が多い。苫東地域のメガソーラー(大規模太陽光発電設備)は35年以降、電力会社が電気を買い取るFIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)が満了していく。大きな売りだ。苫東に来ればクリーンな電源がある意識づけになる。CN、GXへの意識が高い自動車関連産業の立地の多さもプラス材料。苫東地域は3200ヘクタールもの緑化地域や港、良質な水もある。今年4月にウイスキー専業企業のベンチャーウイスキー(埼玉)が進出し、さまざまな業種で利用できることを証明している」
―今後の展望を。
「GXに関係する業種、企業と2年かけて関係を構築した。より質を上げて継続していく。すでに複数社からプロジェクト提案、多くの問い合わせをいただいている。これまで積み上げてきた知見を生かし、微力ではあるが苫東地域はもちろん、苫小牧、北海道の脱炭素化に貢献したい」
















