Rapidus(ラピダス、本社東京)の千歳市進出を受け、世界最先端で最高水準の次世代半導体の開発製造を人材面で支える「北海道半導体人材育成等協議会」がこのほど、始動した。道内で半導体関連産業の基盤強化を目指す企業、大学・高専、行政など道内の産学官は、総力を挙げて必要な人材の育成と取引の活性化を目指す。
ラピダスは2022年8月、トヨタ自動車、ソニーグループ、NTTなど国内主要企業8社が出資し設立された。新千歳空港に隣接する千歳市美々を拠点にIBM(米国)、imec(ベルギー)と技術提携し、人工知能や量子コンピューター向けに2ナノ(10億分の1)メートルの半導体の製造を目指す。25年4月のパイロットライン稼働、27年初めの量産開始に向け今夏、エンジニア100人をIBMに派遣する。
経産省は、経済安全保障の観点からデジタル社会の基幹部品である半導体の自国生産を推進する。昨年12月に東大や理化学研究所が参加する「技術研究組合最先端半導体技術センター」を立ち上げた。世界中から人材を募って20年代後半には次世代半導体の設計・製造基盤を確立、プロフェッショナル・グローバル人材の育成を目指している。
ラピダスは1000人の従業員を見込んでおり、このうち500~600人の技術者が必要という。小池淳義社長は「電気、電子、材料、機械などに加え、AIに関わるデータサイエンスが活用できる人材も必要。新卒だけでなく経験者も採用する」と話す。
先端半導体では熊本県でJASM(台湾のTSMC子会社)が先行して工場を建設中。試算では投資波及効果は工場稼働の24年から2年間で1兆8000億円、22年から31年までの10年間で4兆2900億円を見込む。雇用効果はJASMの直接雇用1700人を含めて約7500人ともみられている。
道内で半導体関連学部・学科を有する大学・高専は北大や室蘭工大、千歳科技大など6大学と苫小牧高専を含む4高専。これに大学院を合わせると1学年の定員は5044人。ただ、現状は大半が道外に就職しており、「問題は理系給与の安さにある」との指摘も。
このためラピダス進出は優秀な人材の流出を防ぎ、ものづくり業界への経済効果の波及を歓迎する意見があるものの、中小企業関係者からは労働需要の逼迫(ひっぱく)を懸念する声が出ている。
















