苫小牧市植苗のウトナイ湖野生鳥獣保護センターのまとめによると、2022年度に保護した傷病鳥獣の個体数は55件だった。02年のセンター開設以来、最少だった21年度に比べ9件増えたが、過去2番目の少なさとなった。このうち39件が野生に戻り、復帰率は7割を超えた。
同センターは原則、車や建物との衝突など人為的な要因で傷ついた市内の鳥獣を受け入れている。22年度に保護した鳥獣は32種類。ヒナコウモリを除き全て鳥類で、オオコノハズク、オオハクチョウ、ハヤブサ、マガモ―など。
原因別では車や建物の窓ガラスなどにぶつかる「衝突」が30件で、全体の6割を占めた。釣り糸や釣り針で傷ついたケースも含む「その他」は10件。巣立ちから間もなく、うまく飛べないひな鳥を運び込む「誤認」は9件あった。
過去には「衝突」だけで100件を超える年もあったが、同センターの山田智子獣医師は「車とぶつかり、動かなくなった鳥がセンターに来るまでに回復することがあったため、最近は軽傷とみられる場合、自然治癒に期待し保護を控えることがある」と説明する。
ひな鳥の誤認保護も以前は年20~40羽あったが、ここ数年は10羽未満で推移し、22年度も9羽にとどまった。「動かないひな鳥がいる」といった相談は40件あったが、山田獣医師は「近くに親鳥がいると思うので見守ってください、と伝えると理解してくれる人が増えたように感じる。以前は『なぜ、保護しない』と怒りだす人もいた」という。
年間保護数は開設当初、100件超が常態化していたが、20年度に82件となり、21年度に46件まで減少した。山田獣医師が市内小学校に出向き、野生鳥類の命の尊さを伝える出前講座は09~22年度で476回を数え、計1万4689人が学んだ。同センターの各種イベントにも親子で参加する姿が見られ、啓発事業が傷病鳥獣の減少に一定の成果をもたらしたと同センターはみている。
山田獣医師は「捨てられた釣り糸などが原因で傷つく動物がいることを知り、ごみ拾いに励む子もいる。今後も、身近な問題として考えてもらう機会をつくっていきたい」と話している。
















