北電 水素を初出荷 苫小牧の製造施設公開

水素を輸送車に入れる工程を説明する菅原所長

 北海道電力(札幌)は14日、5月から苫小牧市弁天で運用している水素製造設備で、水電解により製造した水素を初出荷した。2050年のカーボンニュートラル(温室効果ガス実質排出量ゼロ、CN)達成に向けた取り組みで、合わせて報道陣に施設を公開した。

 この日は屋根付きの水素出荷設備で、産業ガス大手エア・ウォーター(大阪)の運搬車に、水素約2600立方メートルをあらかじめ充填(じゅうてん)。北電従業員の合図で出庫し、同施設を運用する北電苫東厚真発電所(厚真町)の菅原岳宏所長は「運用開始間もない手探りの中、ようやく第一歩を踏み出せた。非常にうれしい」と相好を崩した。

 試験運用中に製造された水素は、現時点でエア・ウォーターとのみ取引。各装置の応答や耐久力チェックを並行する方針で、菅原所長は「水を使う設備なので、厳しい寒さの中でも凍結することなくスムーズに運用できるか」などを確かめるという。

 将来は1メガワット級の水電解装置に使う電力についても「太陽光発電などの再生可能エネルギーで賄い、電源からCN化を目指したい」と展望する。

 寒冷地に対応した道内最大の水電解装置をそろえた同施設は、経済産業省「再生可能エネルギー導入加速化に向けた系統用蓄電池等導入支援事業」の採択を受け、苫東厚真発電所西側約3500平方メートルに新設。5月18日から試験運用しており、26年にも企業や自治体などに水素の本格供給を始める予定だ。

 設備の水素製造能力は、国内大手自動車メーカーの水素燃料電池車(FCV)3台分相当、1時間当たり200N(ノルマル=大気圧、零度=)立方メートル。2基の水電解装置などがあるメイン建屋、圧力0・8メガパスカルの水素を一時貯蔵するタンク「水素ホルダー」、21メガパスカルまで圧力をかける水素圧縮機などで構成する。

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