構想

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 苫小牧の中心市街地に引っ越してきたのはちょうど4年前。JR苫小牧駅南口の旧商業施設「苫小牧駅前プラザエガオ」は最初、定休日かと思った。近づいてみて、工事中なのかと思った。ところが、閉鎖して5年近くもたつという。東京や首都圏の大都市にも、北関東や東北にも住んだ経験がある。駅前にシャッター街が広がる光景は珍しくない。だが、駅の真ん前に放置された廃虚ビル―。さすがに驚いた。

 住み始めた頃は進まない交渉にいら立ちを覚えたが、そのうち諦めてしまっていた。苫小牧市が「2024年度に解体を目指す」と表明しても期待は持てなかった。3日前、岩倉博文市長と土地の一部を所有する大東開発の三浦勇人社長のトップ会談が初めて行われた。何が話し合われたか、本当のところは分からない。それでも、どんなに遅くても、解決への第一歩になると思いたい。

 苫小牧は今、次世代半導体製造ラピダスの千歳進出の話題で持ち切りだ。同社と道は石狩、札幌、千歳、苫小牧市を結ぶ一帯に「北海道バレー構想」を掲げ、データセンター誘致や関連産業の集積を図るという。最先端企業を集めようというならなおさら、まちの玄関口がこのままでいいわけがない。(吉)

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