苫小牧市の北洋大学女子バスケットボール部が2020年創部以来最短の全日本大学バスケットボール選手権大会(12月、インカレ)出場へ勝負の年を迎えている。在籍する選手6人は「全力を注いでインカレ出場を果たしたい」と力が入る。
同部は20年4月に創部。埼玉県で中学チームを日本一、高校チームをウインターカップベスト16などに導いた指導歴を持つ一ノ瀬和之監督が発足させた。初期メンバー2人から活動を開始し、21年に新人5人が入部して北海道学生連盟の3部リーグに初参戦。同年、2部リーグに昇格した。
昨年10月に行われた男子74回女子第67回北海道バスケットボール選手権大会兼第74回全日本大学バスケットボール選手権大会北海道予選会の2部リーグで準優勝を果たした同部。8チームによるリーグ戦で、優勝した星槎道都大学に69―72と小差で敗れて準優勝も、上位2チームに与えられる入れ替え戦出場権を獲得。1部9位(12チーム在籍、下位2チームは自動降格)の拓殖大学北海道短期大学との入れ替え戦で125―83と圧勝し、1部リーグ昇格を果たした。今季からは1部リーグ(全10チーム)を舞台に激闘を繰り広げ、上位チームに与えられるインカレ出場枠を狙う。
創部初期メンバーの曽根有紗(4年)=札幌山の手高出=はチームの大黒柱のセンター。180センチの長身を生かして、ゴール下で相手シュートのリバウンドを狙うなど失点を抑える重要な役割を果たす。名門の山の手では試合出場機会が少なく、大学入学後、常に試合に出場するようになったことで責任感を強く抱くようになった。「最後の年になる。後悔のないよう目標に向けて良いプレーをしていきたい」
同じく初期メンバーの梶原理奈(4年)=埼玉栄高出=も176センチの長身センター。泥臭いプレーを心掛け「チームを支えられるように、自分に与えられた役割を果たしたい」と話している。
メンバー唯一の苫小牧出身は主将を務める桜庭莉李亜(3年)=北海道栄高出=。3点シュートなどの長距離シュートを積極的に狙うシューティングガード。シュートの正確性はメンバー随一で、1年時には春季大会の新人王にも選出された。「とにかく3点を狙いたい。成功率をもっと上げて得点に絡んでいきたい」
高橋こはく(3年)=埼玉栄高出=はコート上で動きの指示を出す司令塔ポジションのガード。得点はもちろん、チャンスになるパス出しと幅広く重要性を担う。「周りを見て冷静な判断を心掛けたい。試合では局面を変えていけるプレーを目指す」
スピードを生かしたゴール下への切り込みが武器の會田芽夢(3年)=埼玉栄高出=はフォワード。「少ないメンバーで築いてきたチームワークを武器に良い結果を残したい」と意気込む。小久保瑞希(3年)=北星学園大学付高出=は体を張ったプレーで得点やリバウンドに絡むパワーフォワード。「ポジション取りを意識して、できるだけゴールに近い所でパスをもらって得点していきたい」と闘志を燃やしている。
5対5で行われる競技で、チームメンバーは6人と少数精鋭で挑む北洋大。来季の新メンバー入部がなければ今季が最後の大会出場となる。一ノ瀬監督は「少ないメンバーでよくここまで来た。それぞれが大学で成長を見せている。最後との気持ちで選手らと掲げた目標に向けて一丸となって戦いたい」と話していた。

















