次世代半導体製造Rapidus(ラピダス、東京)の千歳市進出に伴い、千歳や苫小牧の高等教育機関も熱視線を送っている。同社は採用する人材像として、AI(人工知能)などの習得を挙げ、「地元の大学、高専を含めて十分なトレーニングをされた方を採用したい」と明言するからだ。苫小牧工業高等専門学校、公立千歳科学技術大学のトップに受け止めや展望を聞いた。
―ラピダス千歳進出の受け止めは。
「相当な従業員数を抱える企業なので、一定割合は高専生も(採用の)ターゲットとなり(新たに卒業生が)活躍できる場所になる。苫高専に限らず、道内の高専や大学の卒業生の多くが本州に出て行ってしまっているのが現状。北海道出身の学生が道外ではなく、(道内の)半導体関連に就職先を求める流れになってくれば働く人の取り合いにならず道内にも労働人口をとどめることができ道内経済や人口減少にも一定の貢献ができる」
―半導体人材の育成が課題となる。
「ラピダス社の小池淳義社長は、求める人材像についてAIや数理データといった知識を広くしっかりと身に付けている人―としている。ラピダス社は次世代半導体の量産を目指す工場なので一番ポイントになるのは量産技術。工場を動かすには機械工学や電気など幅広い勉強をした人が必要でデータを理解、判断し対応できる人が求められるが、現状でも十分役に立てる人材を輩出できる」
―半導体関連の現行の授業カリキュラムは。
「苫高専に半導体を専門とする教員はいないが電気電子系の科目で半導体工学や電子デバイス、情報(科学・工学)系でも回路に関する授業がある」
―授業見直し、拡充は。
「1年生の実践型授業『創造工学1』の1こまに、半導体とは何かを紹介する授業を取り入れる。熊本と佐世保の高専が中心となって半導体を学べる教材を作っており、苫高専も教材を使用できる実践校の1校となっている。来年度以降になるだろうが、教材ができれば活用したい」
―苫高専の強みは。
「文部科学省の『数理・データサイエンス・AI教育プログラム(応用基礎レベル)』(の実施校)に認定されている。全学生を対象とするのは、高専の中で苫高専だけ。学校全体で取り組んでおり、教育態勢として十分」
―道内高専や他の大学、企業との連携は。
「道内だと旭川や釧路(の高専)に半導体関連を研究する教員がいるので、補完し合うこともできる。(台湾積体電路製造が進出する)九州では、熊本、佐世保高専が九州工業大などと連携し工場見学などの教育メニューを作っており、参考にしながら今後北海道でどのような連携ができるか話し合っていく。将来的に半導体関連施設を見学したり、企業側に足を運んでもらったりするプログラムができれば」
苫小牧工業高等専門学校
中学校卒業者を対象とした5年制の高等教育機関。実践的技術者の養成機関で1年次は工学の基礎を学び、2年次から機械、都市・環境、応用化学・生物、電気電子、情報科学・工学系の5分野に分かれ専門知識を身に付ける。5年間の本科卒業後、さらに2年間学べる専攻科もある。学生数は本科1019人、専攻科54人。
















