シシャモ復活へ

シシャモ復活へ

 記録的な不漁が続くシシャモ資源の回復に向けて、むかわ町が調査研究会をつくるという。23日付2面の記事だ。8月に発足する。鵡川漁業協同組合のほか、道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場など複数の研究機関が参加する見通し。生産者と行政と研究機関の連携で不漁の原因に迫り、対策につなげてほしい。町が鋭意、会の事業など詳細を詰めており、希望をもって見守りたい。

 むかわ町は昨秋、鵡川下流域に本格的なシシャモのふ化施設を稼働させた。人工授精した受精卵を専用施設でふ化させ、稚魚を飼育して鵡川に放流するためだ。受精卵を川に放流していた従来よりふ化や生存率の向上が期待できるに違いない。資源回復への確かな足掛かりになってほしい。取り組みの成功を祈念する。

 鵡川のシシャモは30年ほど前も深刻な不漁に見舞われ、数年にわたる全面休漁で回復を果たしたことがある。不漁も休漁も地域経済への影響は甚大だ。それだけに今秋も資源の行方が気になる。古くから鵡川流域に生きる人々の糧であり、歴史や文化、風俗を語る上で欠かせない固有の魚。地元のみならず全国の食通にこよなく愛されている。先人が積み上げてきた大切な宝の復活に向けた取り組みをサポーターとして応援したい。(司)

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