映画「大地よ」8日札幌公開 アイヌ魂の原点探る 主演の宇梶さん 「生きる力を」

映画「大地よ」8日札幌公開 アイヌ魂の原点探る
主演の宇梶さん 「生きる力を」
記者会見で映画「大地よ」をアピールする宇梶さん(右)=3日、道政記者クラブ

 詩人でアイヌ文化伝承者の宇梶静江さん(90)=白老町在住=の軌跡をたどるドキュメンタリー映画「大地よ アイヌとして生きる」(金大偉監督)が完成し、8日から14日まで、札幌市中央区のシアターキノ(狸小路6丁目)で上映される。道内では初公開。主演した宇梶さんは3日、道庁で記者会見し「映画を見て、生きる力を少しでも感じていただければ」と話した。

 宇梶さんは1933年3月、浦河町生まれ。56年に東京へ移り、差別に苦しむアイヌ民族、同胞の交流を呼び掛け、73年には東京ウタリ会を結成。詩人であるほか、アイヌ刺しゅうも学び、古い布に刺しゅうを施す古布絵(こふえ)作家となった。2021年には白老町に拠点を移した。

 映画は、アイヌとして生き、古布絵や詩の表現でアイヌの精神を問い続ける宇梶さんの半生を振り返る。民族意識の復権や精神を語るインタビューのほか、アイヌの伝統儀式なども映し出す。藤原書店(東京)が5年かけて企画・制作し、ナレーションは、宇梶さんの長男で俳優の宇梶剛士さんが務めた。

 会見で宇梶さんは「映画というのは大変なものだと思っていましたし、自分が主役で撮っていただくことになって、すごいことだと思っています」と率直な感想を語った。

 アイヌの精神と魂の原点を探るドキュメント映画で、先行して上映された東京では大きな反響を呼んだ。札幌での公開を前に「アイヌの映画について北海道の人がどう受け止めるか。私にとっては本当に心配で、怖いんです」と心境を吐露。「札幌でアイヌ民族、同胞に少しでも浸透していただければ」と語った。

 札幌では8、9日に舞台あいさつも予定。当日料金は一般1800円、高校生以下1000円。問い合わせはシアターキノ 電話011(231)9355。

 8月には故郷の浦河町での公開が決定。苫小牧市でも上映を交渉中という。宇梶さんは「各地で呼んでもらえれば」と全国行脚する姿勢でいる。

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