苫小牧工業高等専門学校の藤田彩華(さやか)准教授(34)が、第72回高分子学会年次大会(5月24~26日、群馬県高崎市)で2022年度高分子研究奨励賞を受賞した。優れた若手研究者に与えられる賞で、苫高専から受賞者が出るのは初という。
循環型社会実現に貢献するため、天然高分子を化学的に改質した環境負荷の少ない材料開発を―と「多糖を活用した機能性材料の創製」に関する研究に取り組む藤田准教授。植物の主成分であるセルロースや甲殻類の殻に含まれるキチン、キトサンといった多糖類を用いて高吸水性高分子、金属吸着材といった機能性材料の開発に関する研究を重ねてきた。
苫高専在学中、セルロースを活用した吸水性高分子の開発を研究していたことがきっかけで、卒業後は北大大学院の環境科学院に進学。キトサンを用いた環境低負荷な金属除去凝集剤に関する研究に取り組んだ。
藤田准教授によると、重金属を含む産業排水の処理は通常、アルカリを加えて重金属イオンを難溶性の沈殿物に変え、ポリマーを添加して凝集分離させるが「同研究の凝集剤は重金属イオンを直接捕捉し凝集することが可能で、簡便に除去できることが分かった」と言う。
これまで7本の原著論文を執筆し、同学会主催の討論会や北海道支部研究発表会などで研究成果を発表してきた。今回はこうした実績が認められての受賞で「いろんな人に支えられて取れた賞なので感謝の気持ちが大きい」と強調。「自分の研究したものが世に出ていってくれればうれしい」と語る。
高分子はゴムやプラスチックなど身近な素材に用いられ、主に自然界の産物である天然高分子(セルロースなど)と人工的に合成された合成高分子(合成繊維など)に分けられる。同学会は会員数1万人を超える、高分子科学と技術に関連した学術団体。
同賞は研究奨励や高分子科学発展に貢献する人材育成を目的に、満37歳未満で同学会在籍2年以上の会員を対象に選考委員会が選ぶ。22年度の受賞者は全国15人。
















