苫小牧港・西港中央北埠頭(ふとう)の新岸壁が、使用を始めてから3カ月間が経過した。4月13日に初の荷役を行ったのを皮切りに、今月12日までに18隻が着岸し、うち4隻が荷役作業を実施。2024年度まで後背地の整備を継続中のため、荷役作業の効率化にはまだ効果は薄いが、関係者は港内の混雑緩和などを歓迎している。
新岸壁は西港区真古舞地区に、既存の1号東岸壁と連結させた。旧貯木場の約8万平方メートルを埋め立て、大型船にも対応できる全長230メートル、水深12メートルの岸壁を整備。19年10月に着工し、今年3月に完成。埠頭全体の岸壁名称を整理した上で中央北埠頭3号岸壁とした。後背地の環境整備を含めて、国と苫小牧港管理組合の総事業費は約98億円。
4月13~15日に貨物船「ダイアモンド スター」(9980トン)が初荷役を実施。後背地は今なお整備が続き、荷さばき場や道路を造成しているが、同岸壁ではこれまで18隻を受け入れた。使用する船舶代理店や運送業者からは、効果への実感や期待の声が上がる。
初荷役船の船舶代理店を務めた苫小牧北倉港運(勇払)は「苫小牧港は海が荒れたときに船が多く集まって『船混み』する。新岸壁があることで混雑も避けやすい」と喜ぶ。
現在は後背地が整備されていないため、自走できない荷役機械は分解し、新岸壁に運んでいるというが、「完成すれば時間やコストの短縮につながる」と期待を寄せる。
ただ、岸壁のみが新設されたいわば暫定供用に対し、使い勝手の悪さを指摘する声も多い。石炭船などが岸壁を利用する苫小牧栗林運輸(元中野町)は「現時点ではメリットはまだ少ない」と話す。
クローラークレーンなど大型荷役機械を自走させることができず、「今後の整備で岸壁間の通り抜けができるようになれば。遠回りの必要がなくなり、かなり便利になる」と見通す。
中央北埠頭は、交通網へのアクセスが良いためニーズが高く、貨物船の混雑緩和が課題だった。整備が始まる前の17年には、西港で2万337時間の滞船が発生したが、このうち中央北埠頭は8085時間と全体の4割を占めた。滞船で荷主は負担増となるほか、船がエンジンをかけ続けることで、二酸化炭素(CO2)の排出増にもつながっていた。
後背地整備を進める苫小牧港管理組合は「整備途中で効果の完全な発揮はまだ」と認めつつ「荷さばき地や埠頭内道路は来年度中に完成する。これまで生じていた滞船などが改善され、より効果的で利用しやすくなり、CO2削減にも寄与する」と強調している。
















