全国高校総合体育大会ソフトテニス競技大会全日本高校ソフトテニス選手権大会は24日、苫小牧市緑ケ丘公園庭球場で男子個人戦(ダブルス)の決勝が行われ、坂口生磨・野本凌生(香川・尽誠学園)が優勝した。北海道勢は長南理大・太田遥来(とわの森三愛)が6回戦まで進んだが、ベスト8進出はならなかった。
ベスト8には昨年団体優勝の尽誠学園から3組が残った。坂口・野本は準々決勝からすべてファイナルゲームにもつれ込む激戦を制した。
▽決勝
坂口生磨・野本凌生(香川・尽誠学園)4―3根岸澪紋・中尾彦斗(宮城・東北)
▽準決勝
坂口・野本4―3田中蘭聖・保住弥英(奈良・高田商)、根岸・中尾4―2藤崎広大・小山寛晴(香川・尽誠学園)
▽準々決勝
田中・保住4―3浅見竣一朗・初鹿暁哉(宮城・東北)、坂口・野本4―3塚本星弥・五島飛星空(愛知・岡崎城西)、根岸・中尾4―2内田陽斗・宮田成将(香川・尽誠学園)、藤崎・小山4―2南龍之介・竹内慶悟(三重・三重)
※北海道関係分
▽6回戦 藤崎・小山4―2長南理大・太田遥来(とわの森三愛)▽5回戦 長南・太田4―2川崎康平・森良輔(宮崎・都城商)▽4回戦 長南・太田4―1清水駿・木内陸人(大阪・上宮)
―長南・太田組が強豪に善戦
道内勢で唯一、3回戦を突破したとわの森三愛の長南・太田は格上を相手に勝ち進んだが、6回戦で強豪・尽誠学園(香川県)の藤崎・小山に敗れベスト16で個人戦を終えた。
この日初戦の4回戦は格上の上宮(大阪)ペアと苫小牧特有の霧が立ちこめる中での試合となった。霧雨で通常よりボールが伸びるなど相手が苦戦する中、2人は同会場での経験を「地の利」として生かし、4―1で突破。太田は「全ての打球を拾いに行く気持ちで臨んだ」と振り返った。
5回戦は都城商(宮崎県)ペアと対戦。長南が「地元の応援が背中を押してくれた」と語り、序盤の劣勢をはね返し逆転で勝利。勢いそのままにベスト8を目指したが、強豪の壁は厚く、2―4で敗れた。2人は「相手が一枚上手だったが良い試合を展開できた。団体戦に悔しさをぶつけたい」と前を向く。
長南がコートを走り回ってラリーをつなぎ、太田が積極的に攻撃を仕掛けてポイントを獲得するのが持ち味。1年生の秋にペアを組んだ。とことん向き合い意見をぶつけ合って互いに成長してきた。精神的にも強くなれた―と回顧する。「2回戦で敗退した昨年の大会以上の成績を上げ、新しい歴史をつくろう」と臨んだ集大成の高校総体。自らを奮い立たせてベスト16の結果を残した。
チーム主将の長南は今回、選手宣誓を任された。4年ぶりの通常開催となった大会への思いを乗せ「北海道の地で多くの人々に勇気と笑顔を与えるプレーを目指す」と力強く誓った。
播磨良信監督は「たくさんのサポートを受けて選手たちも頑張ることができた。シード校に勝利することもでき、地元を盛り上げることができたのでは」と選手たちをたたえた。
―野本・坂口組、周年の頂点
尽誠学園の坂口(2年)・野本(3年)は苦しみながらの優勝。決勝の5ゲーム目、ジュースが続いて粘ったが8―10で落とし、2―3と後がなくなった。そこから2ゲーム奪取と踏ん張った。準決勝も0-3からポイントを重ね4―3、ひやひやの頂点だ。
野本は群馬から名門・尽誠学園へ。決勝の相手の東北・根岸は同じ関東の埼玉出身。中学生時代は活躍する根岸を横目に「高校でひっくり返してやる」と練習に明け暮れ、最後の高校総体でライバルを追い越した。「笑って終われる大会にしたかった」と喜びをかみしめた。
坂口は「野本さんを勝たせたかった。プレッシャーはなかった」と冷静だった。1ゲームも落とせない準決勝の0―3も「負ける気がしなかった」。霧模様の苫小牧の気候についても「6月に一度ここでやっていた。霧はボールが飛ぶ。同じような条件で練習してきた。仲間との情報共有もできていた」と話し、視線を連覇が懸かる団体戦に向けた。




















