苫小牧工業高等専門学校フロンティアコース5年生の4人が今年度、青少年向け情報セキュリティー教材開発に取り組んでいる。道警サイバーセキュリティ対策本部との共同研究でこのほど、市内の中学校3校でサイバー防犯教室も開いた。年内に教材を完成させたい考えで「道警の出前授業で活用してもらえるレベルに仕上げたい」と意気込む。
2018年3月に締結したサイバーセキュリティー分野での人材育成連携協定に基づく取り組み。同本部はこれまでも苫高専の学生らと共同で、情報セキュリティー啓発アプリや架空請求詐欺被害の疑似体験VR(仮想現実)動画などを開発してきた。
青少年向け情報セキュリティー教材の開発は今年度、同コースの卒業研究テーマの一つに設定されており、4人はチームで準備に着手。4月から本格始動した。
個人情報の流出が社会問題化し、SNS(インターネット交流サイト)トラブルが急増している中学生をターゲットに、教材の試作品作りをスタートさせた。
教材はスライド発表用の資料と、参加者に配るワークシート。
個人情報の公開がネットトラブルの主因になっている現状を踏まえ、具体例としてSNS上に個人がアップしていそうな写真を提示し、どこに情報流出の危険が潜んでいるかを考えさせる所要時間15分程度の授業内容となっている。
風景写真には信号柱や郵便ポスト、橋が写り込んでおり、それぞれに地名、番地の記載があることを指摘。部屋の写真についても、机上に置かれた表彰状やカレンダーなどから個人情報を読み取れることを伝える。
6月末から7月中旬にかけ苫小牧開成、青翔、啓明中学校の3校で、計324人に防犯教室と銘打って試行。参加した啓明中3年の今井徠斗(らいと)さん(14)は「高校進学後はSNSを利用する機会が増えると思うので、学んだことを忘れないようにしたい」と気を引き締めていた。
授業を行った教材開発チームのリーダー、高橋爽さん(20)=応用化学・生物系=は「SNS世代だけに、すでに(個人情報流出について気を付けるべき点を)理解している生徒も多くいたが、ポストに住所が書かれているのを知らなかったという声もあった」と振り返る。
今後は授業を行った中学校でのアンケート結果も参考に、道警の中高生向け広報誌「サイバーセキュリティーインフォメーション」に寄稿したり、札幌市の地下歩道のデジタルサイネージ用情報セキュリティー啓発用動画を作ったりしながらより良い教材作りを模索していく。
松田翔太さん(20)=同系=は「卒業研究が終わっても教材は残ると思うので、クオリティーの高いものにしたい」と語る。
苫小牧署警務課の野上幸恵巡査部長は「警察署にもSNS絡みのトラブル相談が寄せられ、若い人にどう対策を伝えていくのかは課題。学生側から発信してもらえるのはありがたい」と話した。
















