「(おかずを指さし)それ何だった?」「これ、おいしいよ」。楽しそうに会話する児童生徒たち。昨年は見られなかった食事風景に、ひと安心すると同時にうれしく感じた。
7月末、苫小牧市こども研修事業に同行し、東京都八王子市を訪れた。昨年に続き2回目の同行取材だったが、3泊4日の食事場面は大きく違っていた。
昨年は、朝も昼も夜も全て黙食が求められた。話し声が聞こえると、高校生スタッフらが「黙食だよ」と注意する場面も。私自身も「静かにしないと怒られるよ」と子どもに話したものだった。
しかし、今年はわいわいがやがや。どこの食事会場でもにぎやかな笑い声が響いた。「一般の人もいるんだから静かに」と、昨年には聞かれなかった正反対の注意を受けていた。
「おいしいね」と笑い合える幸せ。日常だった食事風景が日常でなくなったからこそ、より一層ありがたみを感じた。コロナ感染が増える今、黙食に戻らないでと願う。(樋)









