田中将「変化しないと」 野 球 猛暑の甲子園大会に私見

取材中に汗を拭うプロ野球楽天の田中将=16日、ベルーナドーム

 今夏も猛暑の甲子園球場で全国高校野球選手権大会が行われている。夏の風物詩として多くのファンに親しまれる一方、熱中症の危険性を指摘する声が年々高まっている。駒大苫小牧高時代に夏の大会制覇と準優勝を経験したプロ野球楽天の田中将大投手は「昔と気温、暑さが違うなら、それに合わせて変化していかないといけないのかな。何かが起こってしまってからでは遅い」と話す。

 田中将は兵庫県出身。高校時代を過ごした北海道も夏は暑かったが、「やっぱり甲子園、近畿地方は暑い」と実感を込める。マウンドは「40度くらいになる」と言い、「今だと気温も上がっているから、体感(温度)はもっとあるかも」と想像する。

 100年以上の歴史を誇る夏の大会の改革案として、ドーム球場の使用や開催時期の変更などが各方面から挙がる。しかし、聖地と呼ばれる「甲子園」は球児にとっても特別。秋では長期の休みがなく、学業に影響を及ぼす事情もある。

 田中将は「自分は甲子園でやったというのがあるので、なかなか発言が難しい」とした上で、「例えばどこかドームでやって、『夏のあのドームを目指して頑張ろう』というのが普通になっていくのかなと想像はできる。(歴史は)時間がつくり上げていくもの」と話す。変更直後は戸惑いや批判も想定されるが、「どこかで大きく変えないといけない時期が来るのかな、と外から見て思う」と述べた。

 日本高校野球連盟も暑さ対策には力を入れており、今大会から「クーリングタイム」を導入。五回終了後に10分間、水分を補給し、体を冷やす時間を設けた。今後に向け、比較的過ごしやすい朝夕に試合を行う2部制も検討しているという。

 厳しい練習と地方大会をくぐり抜けた選手がプレーに集中できる「安全な舞台」をつくることは大人の責務。田中将は「しっかりと野球をやれるところを大人たちが整備してあげることが一番。環境を整えていただければ」と願った。

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