次世代半導体の国産化を目指すラピダス(東京、小池淳義社長)は1日、千歳市の工業団地「千歳美々ワールド」で工場の起工式を行った。次世代スマートフォンやAI(人工知能)などに不可欠で、世界でもまだ商業化していない回路線幅2ナノ(ナノは10億分の1)メートル半導体事業の着工。2025年4月にも試作ラインを稼働し、27年に量産を開始する計画で、小池社長は「安全第一で地元の正しい理解を得ながら、全世界に千歳を発信していく」と意欲を見せた。
同社は美々ワールド一角約65ヘクタールを取得し、6月から造成など準備を進めてきた。製造工場は少なくとも2棟建設する考えで、「新しいイノベーションを出すものづくりの場所」の意味を込めて「IIM(イーム)」と名付け、自然豊かな美々ワールドとの調和を重視する。半導体製造は設計、回路を形成する「前工程」、半導体チップに切り出す「後工程」の三つに分かれるが、同社はその3工程を一緒に進める新たなビジネスモデル「RUMS(ラムス)」を打ち出す。
起工式は工場建設予定地で、西村康稔経済産業相や鈴木直道知事、トヨタ自動車やNTTなど出資企業や国内外の半導体関連企業の幹部ら約130人が参加。千歳市の横田隆一市長や苫小牧市の岩倉博文市長、恵庭市の原田裕市長ら、地元や周辺の自治体、経済団体などの関係者も参加し、くわ入れや玉串奉納の神事を粛々と行った。引き続き千歳市内のホテルで記者会見や起工披露式典を行った。
小池社長は「千載一遇の機会」と力を込め、「千載は千歳とも書く。まさに『ちとせ』一隅、1000年に1度のチャンス。心を新たに全力で尽くす」と強調。従業員は操業開始時に1000人規模を想定する中、1日現在200人を超え、うち約60人を米IBMに派遣していることを明かし「世界中から優秀な方が集まると同時に、北海道で一生懸命学んだ方々も参加していただければ」と訴えた。
式典では岸田文雄首相のビデオメッセージが披露され、その中で「わが国の半導体戦略の中核をなすプロジェクト。政府として予算、税制などあらゆる面で世界と競争できる投資支援パッケージをつくる。千歳における半導体関連投資の拡大や関連産業の集積、地域全体の発展につながることを期待し、その実現に向けて道、千歳市、関連地元企業と取り組む」と説明。出席した西村経産相も「千歳は自然が豊かで懐が深く、(米国で半導体関連産業が集積する)シリコンバレーを越えるような潜在力のある地域」と述べた。
製造工場を施工する鹿島建設(東京)の天野裕正社長は「竣工(しゅんこう)まで作業員延べ165万人。1年後の今ごろが最盛期で1日4000人に集まってもらう」と展望。「資材調達は北海道中心だが、現在の建設技術の最新鋭を集めるため、全国から資材を海路苫小牧で陸揚げする」などと計画の一端を紹介した。
















