2027年に千歳市の工業団地「千歳美々ワールド」で次世代半導体工場の本格稼働を目指すラピダス(東京)の工業用水確保のため、道が設置した有識者懇話会(座長・平本健太北大大学院教授)は7日、札幌市内で2回目の会合を開いた。事務局の道が提示した水源候補地8案を検討し、安平川を水源とする苫小牧工業用水道第2施設と千歳川の2案に絞り込んだ。道は有識者懇の意見を参考に、10月上旬に候補地を決定する構えだ。
会合は冒頭以外、非公開で開催。道はラピダスの水源の候補地として考えられる千歳川、支笏湖、美々川、安平川、夕張川、地下水の計8案を提示した。
このうち自然環境保全の観点から特に配慮が必要な支笏湖と美々川(2カ所)の3案を候補地から除外することを確認。さらに取水可能性の観点から、ラピダスが量産開始する27年までに必要水量の取水が困難な千歳川のママチ川分流堰(せき)と夕張川、地下水の3案も除外することを決めた。6案が除外されたことにより、ラピダスの水源候補地は安平川を水源とする苫小牧地区工業用水道第2施設と千歳川の2案に絞り込まれた。
道企業局の苫小牧地区工業用水道は勇払川を水源とする第1施設もあるが、道は安平川を水源とする第2施設を推した。第2施設は、苫小牧臨海工業地帯における工業用水需要に対処するため、1972年4月に着工し、79年3月に完成。安平川河口から上流8キロの地点に設けた取水堰から取水し、浄水施設を経て送水ポンプにより配水塔に送水。延長44キロの配水管により1日当たり10万立方メートルの工業用水を供給可能という。
供給能力に余力があり「企業局の未売水量の一部を活用することにより、工業用水を供給できる可能性がある」と説明。一方、既存の工業用水利用者など「関係者との調整が必要」とした。
千歳川については「河川流量が正常流量を下回る期間が生じている」と指摘し、「流量に余裕がないため、新たな水源の確保や既存水源の振り替えなどが必要」と課題を挙げた。
有識者懇は今月下旬か10月上旬に3回目の会合を開き、2案について(1)環境影響(2)協議・調整(3)事業費(4)工期―の4項目を比較し、総合評価をまとめる。道では、この有識者懇からの意見・提言を踏まえ、10月上旬に水源候補地を決定する方針だ。
ラピダスは9月1日に起工式を行って工場建設に着手している。25年には試作ラインを稼働させる。ただ、27年の量産開始には大量の工業用水確保が必要なため、供給可能な水源の早期確保が喫緊の課題となっている。
















