材料輸送に苫小牧港利用 ラピダス幹部が市内初講演

材料輸送に苫小牧港利用 ラピダス幹部が市内初講演
「苫小牧の事業者の力を借りたい」と清水専務

 苫小牧商工会議所の地域振興委員会(岩倉圭彦委員長)は20日、千歳市で次世代半導体工場を建設しているラピダス(東京)の清水敦男専務執行役員を迎えた講演会を苫小牧市内のホテルで開いた。清水専務は、半導体の材料輸送で苫小牧港を利用する考えを強調した他、ソフトウエア開発をはじめ日常調達業務への協力を求めた。

 同社幹部が市内で講演するのは初で、同商議所の会員約310人が参加した。清水専務は「北海道と共に歩む次世代半導体プロジェクト」の演題で講演。半導体は人工知能(AI)の普及を背景に、大量にデータ処理する環境を支える役割が求められる中、同社は世界最先端の回路線幅2ナノ(ナノは10億分の1)メートル半導体の商用化を目指しており、清水専務は「高性能で消費電力も少ないものを提供することで、需要が生まれる」と力を込めた。

 同社は1日に千歳市の工業団地で工場の起工式を行い、2025年に試作ラインの稼働を、27年に量産化を目指す計画。清水専務は、工事を担う鹿島建設(東京)が建設地付近の国道36号の渋滞を防ぐため、乗り合わせや資材搬入時間を調整して平準化を図っていることを説明した。

 今後は製造設備を入れる中、電気やガス、空調、排水などの工事で、道内の各企業に携わってもらう考えを強調。特に工場内の食堂、植栽管理、警備などの業務について、一般社団法人北海道新産業創造機構(札幌市)を通じ、「地場企業とつながっていきたい」と呼び掛けた。

 また、物流面でも半導体製造の材料搬入で、費用などから苫小牧港を利用した船便を想定していることを明かした。材料などを保管する倉庫も必要にしているといい、「直接ラピダスとのやりとりではないが、運営に関して苫小牧の事業者の力は借りなければならない」と訴えた。

 入場者が事前に寄せた質問に答える時間も設け、工業用水確保の水源候補地選定では、「ラピダス側は場所を指定できない。道庁が音頭を取り最適な方法を検討している」と述べた。従業員は、工場1棟目の本格稼働時に1000人程度、うち半数以上はエンジニアが占める想定で、「優秀な人材であれば国籍を問わず採用していく」とした。

 隣の千歳市で動きだす国家プロジェクトが、苫小牧にも大きな波及効果をもたらしそうな現状に、参加者からは期待や歓迎の声。産業機械卸の伊藤智さん(44)は「現在の情報を詳しく知ることができた。提案できそうなことがあるので進められたら」と話す。金属資源リサイクル業、西端直也さん(59)も「苫小牧でラピダスの人とつながれる貴重な機会はありがたい。自社でできることを考えたい」と話していた。

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