19日に札幌市で開催された第75回全国理容競技大会で、苫小牧市内の理容師渡利勇太さん(36)に第1部門での優勝が告げられた時の動画を見た。本人だけでなく、周りの仲間や後輩の目からも涙があふれ出た。特別な思いの詰まった瞬間に立ち会えた気がした。
道理容生活衛生同業組合苫小牧支部長の青野秀博さんも目頭を熱くした1人だ。渡利さんはもともと青野さんの店の客だった。スタッフと一緒に「床屋のイメージを格好良くしたい」と奮闘する青野さんの姿を見て、高校生だった渡利さんは理容師に憧れた。
「車で例えるなら、フェラーリを造るセンスや技術を競うようなもの」と渡利さんが説明する業界最高峰の大会。ヘアピース部門では同じく市内の理容店を営む田中穣さん(42)が優勝し、苫小牧勢初の栄冠を2人で手にした。世界大会に団体戦で挑む日本代表チームへの参加権も得られ、出場するかどうかは本人の決断に委ねられる。物語の続きを注視している。(河)









