苫小牧市民生委員児童委員協議会(松村順子会長)は27日、ドラマや舞台からバラエティー番組まで幅広く活躍する俳優の宇梶剛士さん(61)の講演会を市民会館で開いた。市内の民生委員児童委員ら約280人が出席し、大人への不信感や社会への不満から自暴自棄に陥った宇梶さんの体験談から、地域で孤立感を抱えながら生きる人々への支援の在り方を考えた。
講演のテーマは「転んだら、どう起きる?」。宇梶さんは東京出身で、白老町に住むアイヌ文化伝承者、宇梶静江さんの長男。静江さんは差別や偏見に苦しむ人をなくすための社会運動に忙しく、宇梶さんの幼少期から不在がちだった。父も仕事で忙しく、寂しさや不信感を募らせていったという。
プロ野球選手になる夢を持ち、高校で野球に打ち込んだが、先輩からの苛烈な暴力やそれを見て見ぬふりをする大人に絶望。「どうにでもなれ」という気持ちから傷害事件を起こし、野球の道を絶たれてしまったことを明かした。
その後も暴走族のリーダーとなり、けんかを繰り返したが、収容されていた少年院でチャールズ・チャップリンの自伝を読み、「耳がジンジンするほどの感動と自分自身への恥ずかしさに襲われた」と回顧。俳優になることを決意し、歌手にしきのあきらさんの付き人や、俳優菅原文太さんの弟子として芸能界への学びを深めた下積み時代のエピソードを語った。
近年はアイヌのことを学ぶようになり、母静江さんとの交流も増えたという宇梶さん。「今思うと母は、誰かがしなければならないことをしていたのだと思う。(民生委員児童委員の)皆さんもきっと同じような気持ちで活動しているのでは」と語り掛け、地域住民の身近な相談相手として活動する委員らをねぎらった。
















