福士商店1世紀の歴史に幕 「感謝の気持ちでいっぱい」

福士商店1世紀の歴史に幕 「感謝の気持ちでいっぱい」
営業最終日に常連客と談笑する福士さん(左)

 苫小牧市錦町の老舗酒店「〆二(しめに)福士商店」が9月30日、閉店した。最終日も大勢の常連客が訪れ、3代目店主の福士徳彦さん(68)に感謝の言葉を贈る光景が広がった。市中心部に店を構えてから約1世紀の歴史に幕を下ろした。

 開店直後に同店を訪れた市内会社役員の川端隆志さん(63)は「福士さんとは母親同士が同じ高校で、家族ぐるみの付き合い。幼少期、街中に来ると必ず福士商店で買い物をした」と懐かしんだ。福士さんにあいさつし「60年ほど前から知っている店が閉店するのは寂しい」と述べた。

 豊川町の無職星山千雄さん(75)も日本酒を購入し「福士さんとゴルフコンペなどで知り合い、長い付き合い。『また会って飲もう』と言った」としみじみ。金沢市から家族3人で訪れた会社員山本誠一さん(67)は「閉店を知って驚いた。良い酒を置いている店だった」と残念がった。

 この日までに閉店を知った常連客が続々と訪れ、日本酒やワインを購入したため、最終日は商品棚もほぼ空っぽで、閉店も2時間30分早めて午後6時半にシャッターを下ろした。40年ほど前に勤務した女性があいさつに訪れたこともあったといい、福士さんは「地酒を取り扱ったことで多くの人との縁ができた。きょうもたくさんの人が訪れ、昔のことを思い出した。感謝の気持ちでいっぱい」と晴れやかな表情で述べた。

 同店は、1928年ごろに苫小牧駅前で雑貨や食品を売る商店を開業したのが始まり。51年に錦町に移って酒店に衣替えし、95年に父から店を継いだ福士さんが「地酒」の販売に力を入れた。酒販業界の変化や後継者の不在、自身の高齢化を受けて閉店を決めた。

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