札幌市が2030年冬季五輪・パラリンピック招致断念を決めた背景には、市民からの支持低迷がある。34年大会以降の招致に切り替えるため、国際オリンピック委員会(IOC)による決定の前に自ら身を引いた。
21年東京大会を巡る汚職・談合事件を受け、市民の不安を払拭するために市は対話事業に腐心してきた。それでも市幹部は「向かい風は弱まらなかった。理解促進には時間がかかる」と肩を落とす。30年大会開催地決定が迫る中、市関係者は「公の場で札幌に『落選』が言い渡される前に判断した」と明かした。
五輪不信が高まり、経済界関係者から「今の状況では五輪にスポンサーなどで関わっても意味がない」と厳しい意見も。招致を推進していた市議の間でも「30年はもう無理だろう」「市民の理解は得られない」などと諦めムードが漂っていた。
こうした状況を踏まえて市は34年大会以降に切り替えることを決めたが、反対する市民の声は依然として根強い。ある市議が「自分たちで手を下ろしておきながら、34、38年招致をすると言えるのか」と話すように、招致に懐疑的な声もある。
市幹部は「34年以降でもプロセスは変わらない。民意を確認し、どこかで内定をもらう。IOCの方針を踏まえて今後のスケジュールを組み直す」と説明した。秋元克広市長も「将来の大会開催に向け、市民理解の促進や機運醸成活動に取り組む」と話したが、市民の支持がいつ高まるのかは見通せない。
















