苫小牧市民文芸賞に小関さん 小説「コッペパン」

苫小牧市民文芸賞に小関さん 小説「コッペパン」
自作小説「コッペパン」で市民文芸賞を獲得した小関さん

 第75回苫小牧市民文化祭・市民文芸の長文型部門で、音羽町の小関一子さん(79)の小説「コッペパン」が最高賞の市民文芸賞に輝いた。同部門で最高賞が出たのは2015年以来8年ぶり。昭和の少女たちが日常に抱えた葛藤や、成長していく姿を生き生きと描いた物語で、小関さんは「まさか賞に選ばれるとは」と喜びをかみしめる。表彰式は11月25日、市民会館で行われる。

 今年度は長文型部門に創作、随筆、評論など14点、短詩型部門に現代詩、短歌、俳句、川柳など30点の応募があり、9月23日に選考会が行われた。

 選考委員は林晃平さん(元苫小牧駒沢大学教授)、三塚弘さん(市文化交流センター館長)、時田紗緒里さん(苫小牧工業高等専門学校講師)の3人。

 コッペパンは「10年以上前に文章教室に通っていた頃に書き上げた」(小関さん)という短編。自宅で身辺整理を進める中、400字詰め原稿用紙32枚に手書きした文章を活字で残せたら―と、初めて応募した。

 選評では「構成、文章ともに良くできた作品」(林さん)、「主人公の心理描写が秀逸」(時田さん)、「もらい泣きしっぱなし」(三塚さん)と軒並み高評価。題名のコッペパンも「これ以上ふさわしいものはない」と選考委員をうならせた。「厳しい中にも、ぬくもりある瞬間を探しながら創作した」と小関さん。「家族にも見せたことのなかった原稿だが、今は活字になって広く読まれることを願っている」と語る。

 短詩型部門で、市民文芸賞の該当作はなし。奨励賞には長文型部門で錦戸知明さん(73)=日吉町=の歴史小説「義経鬼譚(きたん)外伝『頼朝の死』」、短詩型部門で本波裕樹さん(73)=豊川町=の短歌「少年の面(おも)」がそれぞれ選ばれた。

 6回目の挑戦となった錦戸さんは昨年、自費出版した小説「義経鬼譚」に収められなかった源頼朝の死の謎に独創的な解釈で迫った意欲作で初受賞。「想像力は衰えない。書きたいことはまだある」と力を込めた。

 退職を機に60代で短歌を始めた本波さんは孫の成長を詠んだ連作7首で初めて応募し、初受賞となった。この10年ほどで手掛けた約20首から選び、構成しており「自分の成長も感じられる作品になった。無理せず、これからも続けていく」と話した。

 受賞作などを収めた市民文芸65号は28、29日に市総合体育館で行われる「文化祭総合展示発表」の会場で購入できる。1冊1000円で、30日以降は市生涯学習課などで扱う。

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