秋サケ

秋サケ

 食欲の秋真っただ中、記者は秋サケを使った鍋にはまっている。切り身を調理ばさみでぶつ切りし、ハクサイや長ネギなどと鍋に入れ、その日の気分で「味変」すれば手軽で立派な料理。みそとバターが基本の石狩鍋が多いが、しょうゆで上品に仕上げてもいいし、鶏肉なども加えて具だくさんのちゃんこ風もいい。

 そんな訳でいつも行くスーパーで、秋サケのコーナーを必ず見る。旬の生サケが新鮮さを誇るように輝いている。筋子もどっさり並んでおり、イクラ作りに挑戦するのも楽しそうだ。ただ、隣で幅を利かせているサバやブリの若魚イナダの存在も、いやが上にも気になる。

 北海道近海で海水温が上昇し、魚類の分布に影響を与えると、指摘されるようになって久しい。苫小牧沿岸の秋サケ定置網漁は今季、厳しい不漁に見舞われている。9月の月間漁獲量は前年同月比約8割減の16トン。2015年以前は年間漁獲量1000トン超が当たり前だった。桁を間違えたかのような漁模様だ。

 漁業者も不断の努力で資源の回復を図っているが、「不漁の理由は魚に聞いて」と嘆くことしきりだ。地球温暖化や海洋環境の変化を食い止めるため、苫小牧の重要な産業である漁業を守るため、できることはないか考えたい。(金)

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