苫小牧市ヤングケアラー支援条例が12日、市議会定例会本会議で全会一致で可決、成立した。大人に代わって家族の世話や家事を担う18歳以下の子ども「ヤングケアラー」をまちぐるみで見守り、必要な支援につなげるため、市や市民、学校など関係機関の責務を明示した。ヤングケアラーに特化した条例は道内初で、国内でも埼玉県入間市、栃木県鹿沼市に次いで3例目。施行は4月1日。
同条例は全15条で構成。国連総会が定める子どもの権利条約に基づき、成長する権利や教育を受ける権利、遊ぶ権利などを守るとともに、家族をケアする子どもに周りの大人が気が付き、温かく見守り、孤立させない社会の実現を目指す。
市の責務は▽支援に関する施策の策定と実施▽市民や関係機関、学校と連携▽実態把握と必要な支援の実行―と明示。市民に対しては支援の必要性を理解し、孤立させない地域づくりを求めている。
さらに学校については、家族ケアが学校生活に影響する可能性を認識し、「ヤングケアラーに早めに気付くよう努める」と言及。加えて、学習機会の確保状況や支援の必要性の把握、子どもからの相談対応など、子どもたちにとって身近な立場から見守り、支援につなげる役割を担うよう定めた。
市は「市子どもを虐待から守る条例」の施行など、独自の取り組みで子どもや子育て世帯にやさしいまちづくりを推し進めており、国などの動きに呼応してヤングケアラーを取り巻く課題にも注目。昨年5月に市子ども子育て審議会内に養育や教育、療育、介護、福祉などの関係者で構成する検討部会を立ち上げ、全4回の会合で条例案をまとめた。
条例では検討部会の協議も反映させ、ヤングケアラーのすべてが良くない状態で、是正が必要な人たち―という印象を持たれないよう、「早期発見」という言葉は使っていない。市こども相談課は「ヤングケアラーが行っている家族ケアは価値のある行動で、周りの大人が『良くない』と決めつけることを避けた」と話す。
一方、家庭内のデリケートな問題を他人に言いたくないという感情から、困っていても一人で抱え込んでしまう子どもも少なくないため、条例で「このまちに住む大人たちがヤングケアラーを応援し、必要に応じて手を差し伸べる」という姿勢を示している。
市は条例の成立を受けて新年度、条例の周知啓発を進めるため、シンポジウムや高校生向けワークショップなどを計画している。岩倉博文市長は「ヤングケラーは実態把握が難しく、必要な手助けも個々で異なるため、各機関の連携が特に重要。条例の下で連携の仕組みづくりを進め、大変な思いをしている子どもを助けられるまちにしたい」と述べた。
















