国の特別天然記念物タンチョウの越冬時期に合わせて分布・規模を調査している道は、2023年度の調査結果をまとめた。道内全体では12月に1086羽(前年同月972羽)、1月に1366羽(同1344羽)が確認され、有識者は「幼鳥の割合が高い水準で保たれ、繁殖が良好だった」と分析している。
道は環境省の委託を受け、学校や市町村、環境団体などの協力を得ながら毎年度、越冬前の12月と越冬が本格化する1月の2回、調査を実施。今年度は12月5日に釧路、根室、十勝、日高など10管内44市町村、1月24~26日に7管内35市町村で行った。
1月調査では、釧路管内が1159羽と道内全体の9割近くを占め、十勝94羽、根室67羽、日高9羽と続いた。胆振は1月調査では1羽も見当たらなかったが、12月はむかわ町で成鳥5羽と幼鳥3羽、厚真町で成鳥2羽と幼鳥1羽の計11羽が確認された。
タンチョウの生態に詳しい専修大学北海道短期大学の正富宏之名誉教授は、釧路管内の確認数が1月に全体の87.2%を占めたものの前年同月比で2.6ポイント減少し、十勝、根室、日高が軒並み増加したことを挙げ、「(生息地の)分散化が進行しているかのように見えるが、依然として釧路管内への集中が続いている」と指摘。高病原性鳥インフルエンザでタンチョウが死亡する事例が相次いだことから、「集団感染や個体群減少への懸念が現実化しつつある」と警鐘を鳴らし、分散化を促す対策の必要性を訴えた。
















