この春、創部5年目に入る駒大苫小牧高校女子硬式野球部が、前コーチの佐藤千尋新監督の下、新体制で日本一を目指している。さらなる高みに向けて進む佐藤監督に思いを聞いた。
▽茶木前監督から受け継いだ情熱
茶木前監督は「美心(びじん)」を掲げ、美しい心を持ち、情熱を注ぐことを生徒たちに呼び掛けていた。競技としてもちろんナンバーワンを目指すが、その過程や懸ける思いを大事にし、誰よりも熱い姿勢に、選手たちも付いていった。
伝えることや求める野球は変わらないが、選手それぞれの個性によってアプローチの方法などはより工夫していきたい。選手たちがやりたい野球に向かって取り組むことが一番だと思うので、それぞれが納得のいく野球ができるような環境を整えたい。
▽コーチから監督への転身
監督として今後はチーム方針を定めたり、采配(さいはい)を振らなければならない。さまざまな指導法があり、知らないこともたくさんあるが、伝えられることは全て伝えたい。自分の現役時代のつながりも活用しながら、選手たちの引き出しを増やしたい。
▽新シーズンのチームづくりについて
3期生となる2年生は走・攻・守のバランスの良い選手がそろっている。機動力と守備力を生かしていきたい。3年生が引退した後、選手たちには精神的なむらを少なくし、一つのエラーからミスが続かないよう「崩れないチーム」を目指そうと声を掛けた。力のあるチーム。自滅せず、自分たちのプレーを常に発揮できるようにしたい。
「自律」をテーマに掲げる2年生にとっては、新3年生として集大成を迎えるシーズンになる。どんな状況でもやるのは自分。それぞれに成長を感じる歩みをしてほしいし、その見守りや手助けをしたい。やりたい野球を楽しみながらできるチームに成長すれば、どんどん力を発揮していけると思う。
▽創部から5年目に突入。今後、必要なこと
昨年の夏、若いチームながらベスト4という結果を残せた。北海道から女子野球界を盛り上げていくという役割もある。これから、どんどん全国の強豪チームとの上位争いに食い込んでいかなければならない。
▽「自律」したチームで勝利へ
選手たちやスタッフと理解し、ぶつかり合いながらチームをつくっていく。自律に重きを置いて成績を残すことができれば、そこからまた、さまざまな景色が見えてくる。自分たちで考えて行動に移し、取り組んでいってほしい。














