ある銭湯で女性たちが寂れたまちの今後を語るうち、次期町長選に候補者を擁立しようと盛り上がる。苫小牧市内の劇団「演劇及び文化創造集団C.A.W」(鈴木英之代表)が今月、同市で公演した「ウオーターガールズ 令和銭湯物語」を鑑賞した際、そんな一幕があった。
女性5人の人間ドラマを描いた会話劇。不倫や世代間ギャップ、セクハラ、過疎化など今どきの話題が次々と飛び出し、客席の笑いも誘う。ドレスアップした出演者のダンスが最初と最後を飾り、見どころ満載だった。終盤で、隆盛を誇った地元の家具づくり文化が衰退していった現実に目を向け、復活を願って女性たちが考えるうち、政治の意義に気付く展開がある。
社会に歯がゆさを感じたら、もっと政治に関わっては―。そんなメッセージがエンターテインメントの中から読み取れ、立候補を決めた女性のせりふが印象に残った。「気付いた人が行動を起こせば、少しずつだけど取り戻せるかも」(河)









