少子高齢化を背景に介護人材の不足が続く中、苫小牧市内の介護現場で外国出身者の雇用が進んでいる。市によると、現在は22人の外国出身者が市内のグループホームなどで働いており、今後も増える見通し。市は昨年度、介護の仕事に特化した日本語教室を初開催。今年度は日本で生活を始めるのに当たり、必要な物品を購入する費用を補助する事業をスタートさせる。
「苫小牧での初めての冬はどうでしたか?」「雪は初めて雪を見た時、きれいだと思ったけど、生活する上で多いと大変なこともあると知りました」
3月26日、市民会館で開かれた市主催の日本語教室。市内3カ所の介護事業所で働くミャンマーや中国出身の5人と、各事業所の日本人スタッフがペアで参加し、日本語で情報交換していた。和気あいあいと日常生活を振り返りながら、言いたいことが正しく相手に伝わる話し方を互いに探った。
外国出身者の職場定着へ良好な人間関係構築に役立つコミュニケーション方法を学ぶ場として、2月27日に開講。事業を受託した人材開発業パーソルホールディングス(東京)のカリキュラムに基づき、介護の現場で使う言葉や記録を取る際の留意点などを外国出身者に伝授し一緒に働く日本人側にも、相手が困らないような配慮を求めた。
全5回の教室の最終回となったこの日は、日本語で会話する実践形式。昨年9月から山手町の特別養護老人ホームで働くミャンマー出身のピョー・イーモンチョウさん(27)は「わたしは日本語が上手ではないけど、みんなとても優しくしてくれた。もっと勉強して資格を取り、長く日本で働きたい」と目を輝かせた。
市介護福祉課によると、市内では2022年度以降、介護の現場で働く外国出身者が増加。同年度、厚生労働省による「地域外国人材受け入れ定着モデル事業」を通じ3人の外国出身者が就労したのを皮切りに、現在は市の把握分だけで22人まで増えた。
これまでにグループホームなどで外国出身者3人を雇用し、4月から新たに2人の受け入れを予定する花縁(澄川町)の大澤薫総合施設長は「今や外国籍のスタッフは、なくてはならない大切な存在」と強調。市が22年12月に実施した調査によると、約4割の介護施設が職員の確保に苦慮しており「花縁も同様」と打ち明けた。
外国出身者の雇用を検討し始めた当初は言葉の壁を心配する日本人スタッフもいたが、「誠実で思いやりに満ちた仕事ぶりで現場を支えてもらっている」と語る。
一方で、仲介業者との契約や受け入れる際の住宅、物品の手配など、雇用する側には手間やコスト面の負担が発生。大澤さんは「交流のある他の事業所では、コストがネックとなり、外国人材の雇用を見送った事例もある。積極的に採用していくには行政の支援も必要」と訴える。
市は今年度、外国出身者を雇用し、生活に必要な物品を購入した介護事業所への補助事業に乗り出す。予算は150万円で、補助額は1人15万円を上限とする。
市介護福祉課の佐藤敦史課長は「人材確保と職場定着は介護現場の最大の課題。日本で働きたいと考えている外国出身者に選ばれる環境を整えるため、市としてもできることを検討し続けたい」としている。
















